今朝、うちの父(49歳。大阪に単身赴任中。)から電話があった。

オデキができたから皮膚科に行ったところ、尿検査をされて、少し蛋白が出てる事が判明したらしい。だから今日は内科で再検査するとの事。

四月の健康診断で、全く同じ尿検査を受けた時には異常が無かったそうなので、多分ちょっと疲れてるのだろうと思う。最近はあまり一緒に過ごしていないのでよくわからないが、なんにせよ心配である。

大きな事故や事件があっても、なんとなく自分とは関係の無い世界の出来事のような気がして、何が起こっても最終的に自分は助かるんじゃないかみたいに思ってしまうのは、多分私だけじゃないと思う。だから父が病気になるなんて、よく考えたらずっと健康な方が珍しいはずなのに、なんか現実的じゃないのだ。

でもきっと、いつかは死んじゃうんだなぁ。

なんて、ちょっと思った。

うちの父は、ちょっとおばかさんである。彼のおばかさを立証するエピソードはたくさんあるが、ここでは敢えて「タマゴ事件」と「キュウリ事件」を紹介しようと思う。

まだうちの父が大阪に行く前の話である。母はよく父におつかいを頼んでいた。父は配達の仕事をしているので、そのついでに頼まれていた。その日は「タマゴ」を一パックというオーダーだった。一つなので、敢えてメモなどはしなかったそうだ。

そして

父は買い物袋を提げて、帰って来た。

タマネギと共に。

いくら"タマ"が一緒だからって。

元々父は頭のネジが一本足らない人なので、母はそれ以降、どんなに品数が少なくても必ずメモを渡す事にしたそうだ。そして数日後、今度はサラダのための買い物を頼み、メモの縦左半分に野菜六種類を書き留め、一列に書ききれなかったので、今度は右半分にキュウリと書いたらしい。

しかし

父はキュウリを買って来なかった。

「どうしてッ!?」と問いつめてみたところ、彼は逆ギレしながらこう言ったらしい。




「右に書くなよ!!左しか見なかったよ!!」



といっても、手のひらに収まるくらいのメモ用紙なわけで。普通目に飛び込んでくるのでは…

しかし彼には通用しない。つい先週帰省した際も、「トイレマジックリン」を頼んだのに「バスマジックリン」を買ってきたし。しかも二つも。気を利かせたつもりらしいが、まったく嬉しくない。

こんな父ですが、いくら失敗しても全然めげない。母にいくら怒られても、次の瞬間には引越しのサカイの歌を口ずさんでたりする。いくつになっても子どもみたいなのである。

50になろうとしてるのに、携帯に関しては私より情報通で、新しい機種やプランに関して聞いてもいないのに教えてくれる。あとコーヒー屋なのになぜかパソコン検定1級(?)みたいな資格を持ってて、意味不明。若い頃シンガーソングライターになりたかったそうで、父の部屋にはキーボードやギター(アコースティックもエレキもある)があり、暇なときは一人でシャウトしている。誠にうるさい。

映画が大好きで、特に最新のCGを駆使してる作品に目がない。しかも鑑賞する時は絶対にポップコーンを食べる。映画館じゃないのに食べる。

でも小さい頃は毎日よく遊んでくれた。雨の日は家で卓球をしたし、晴れの日はしょっちゅう広い公園に連れていってくれた。一緒にゲームもしてくれたし、私のためにアニメを録画してくれたりした。あれほど子どもと遊んでくれる父親もあまりいないと思う。

子どもの頃、お父さんは何でもできると思っていた。スキーに行けば上手だし、プールに行けば何メートルでも泳げたし、ボートに乗れば漕いでくれたし、ギターも弾けるし、歌が上手いし、機械の故障も直してくれるし、私が「これはどうして?」と聞いてわからない事が無かったから。

私は母が羨ましい。父みたいな人と結婚できたら楽しいだろうなと、本気で思うからだ。うちはある事件以来急に貧乏になっちゃったけど、私はこの家にいてとても幸せだ。貧乏でも父みたいな人と一緒に暮らしたい。

理不尽な事で怒られると、本気で「死ね!!」と思ったりもするけど。

でもきっと、父のような人を結婚相手として選んでしまうんだろうなと思う。その証拠に、今の彼氏は父によく似ている。

「世界で一番パパが好き!」とまでは言えないけど(本当は言えるくらい好きだけど、調子に乗りそうなので言わない。)、結婚式の時には告げてあげてもいいかなーと思っている。

…ファザコン、ですかねぇ。やっぱ。

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