「素敵な人よ。」

2005年7月23日
夢を見た。

夢の話というのは、本人にとっては人に知らせたいほどのものであっても、いざ口に出すと映像を知らない人にとっては全く面白くない、という場合がほとんどである。

それを知っていて敢えて書くわけだが、そもそもこれは自分のBLOGだった。つまり何を書いても多分OK。(だと思う。)

そうだ。夢の話をする前に、長過ぎる前置きをしておこう。実は夕べ糸井重里さんのコラムを読んだのだけど、それがなかなか興味深かった。(興味のある方は『ほぼ日刊イトイ新聞』をご参照あれ。ネットで閲覧可能です。)

なんでも廃盤レコード収集が趣味の方が、いつものようにそういうものを集めた店に行ったところ、「こんなレコードを一体誰が買うのだ!?」と強く思ったそうで、でその瞬間「ああ、俺が買うのか!」と思いついたそうなのだ。で、この「ああ、俺が買うのか!」というのが重要で。

つまりね、こういうこと。「こんな男誰が好きになるんだろう!?」と強く思うようなときってよくあると思う。でも、そういうときはほぼ間違いなく、そう思った女はそいつに惚れているそうで。「ああ、私が好きになるのか!」ということだそうだ。

私は友人に紹介すると首をかしげられるような人と付き合うことが多いのだけれど(今の彼氏はそこそこイケてると思ってたのにそういえば誰にも羨ましがられないな。)、だからこそ誰かに「彼氏はどんな人?」と聞かれたとき、まずけなすことにしている。「やってられないわよ、ったくもう!」と話しつつも、「まあ結局好きなんだけどね。」で締めくくるのだ。

で、ようやく夢の話。

私は洒落たカフェのような場所で、誰だかわからない人とお茶をしているという設定だ。その人と私は気のおけない仲で、今更お互いに関して知らないことも遠慮することもない。で、対面に座るその人が「あなたの今度の彼氏はどんな人?」と聞いてくる。

「素敵な人よ。」

普段饒舌で言わなくていいこともまくしたてる私が、たった一言そう言って、さりげなくコーヒーだか紅茶だかを飲むのだ。

あとはよく覚えていない。でもこの夢に出てきたワタシは、今私が望む理想のワタシのような気がする。素敵なものを素直に素敵と言える姿勢も良いけど、それ以上に、その素敵さを人に話すことでこぼれるように消えてしまう部分さえ勿体なく思っているような。良いものを自分だけで全て舐め尽くしたいと思っているような。エゴイストではあるんだけど、自分ではそれでいいと割り切っているような。

「理想のワタシ」が心の奥底に深く眠っていることは知っていたけれど(もちろん自分で認識している「理想のワタシ」だっているよ。)、何もここまで露骨に夢という形をとって現れなくてもいいじゃない、と目が覚めて思った。

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