手繰り寄る糸

2005年9月6日
「この世は、一人一人の人間が見えない糸で繋がっている。

だから自分が悪いことをしたら、ぐるーっと回って、自分に悪いことが返ってくる。

逆に良いことをしたら、またぐるーっと回って、自分に良いことが返ってくる。周りの人に親切にして、もっともっと幸せになろう。」

これは、小学生の頃に見たアニメ『まじかる☆タルるーとくん』の中で、主人公本丸の母(非常に人間のできた人)が語った台詞である。まさかこんな歳になって覚えているとは思わなかった。

要は「情けは人のためならず」ということで、本丸の母ちゃんに言われなくても、23年生きる中で何回も似たようなことを耳にしたはず。

最近、私の話をゆっくり聞いてくれる人がいる。その人はどうやら過去に色々とあったようで、それが複雑な熟成を経て、巡り回って私を元気にしてくれている。

その人の過去はもちろんその人のものだし、私の身に直接は何も影響していないのだけど、でもその過去が無かったら、おそらくその人の私への対応は違ったことだろう。不謹慎ではあるが、その人がそのような過去を持ったことは、この「見えない糸」が関係しているのではないかなと思ったのだ。

今の私の悲しみとか苦しみは、一見私のものだけのように思えるけど、いつか何かの形で他者に影響を及ぼす日が来るのかもしれない。優しくしてもらったから人に優しくしなくちゃ、とかそういう単純な話ではなく。

つまりね、この世は「見えない糸」だらけだから、自分の身一つに起こったことでも、自分だけで内密に(他者に一切影響を与えること無く)処理して全て無かったことにするのは、ぜっったいに不可能なんだということ。

自分にどんなことが起こっても、この「見えない糸」の原則さえ知っておけば、それがいいことでも悪いことでも真摯に対応するべきだということが、自ずとわかってくる。だから、たとえほんの些細なことでも、それがいずれどんな風に世界に影響を及ぼすのかを少しでも予想しなければいけないのだ。

もちろん予想なんて不可能なんだけどね。

そして結論としては、私に親切にしてくれる人が当時私を元気にすることを全く予想していなかったように、私も何年か後に今回の経験をどうにかして世の中に還元(いい意味でも悪い意味でも)しているであろうことは、推測ではなく確信として私の中にあるということだ。

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