落下

2005年9月26日
cannot help 〜ing "〜せざるを得ない"

受験英語には必須のこのイディオム。浪人中は特によく目にしていた。で、当たり前のように書いたり聞いたりしていたのだけど、この構文はなかなかロマンチックだと今更ながら思う。

で、私は日本人だからこそ思うのだけど、実際の生活で、思わずこの構文を思い出してしまうような「〜せざるを得ない」状況になることってあまり無いのではないか。

たとえば、「付き合ってみようかな。見た目もタイプだし。クリスマス近いし。」と最初に考えて、つまり"cannot help 〜ing"ではなく、"should"で表した方がいいような感情のもとに、男の子と付き合ったことがある。三回もある。もちろん、それは今だから言えることだし、当時はそれなりに盛り上がって下した決断であると信じているが。

しかし、「あなたを好きにならずにいられない」という、notを敢えて使わなくては表現できないような気持ちになって始まったことはないと思う。メスとしての本能が疼く(こう書くとまた"淫乱"とか言われるのだろうが)といえばいいのか、DNAに組み込まれた60億年の記憶に突き動かされるように、「きっかけも、時間も、会った回数も、周りの状況も関係ないわ。ただあなたが欲しい。」と思って自分が抑えられなくなるような状況って、映画や小説以外で存在するのかな…って。

要は、現代日本はやたらシステマティックになっているから、いつからか「する恋」と「落ちる恋」が分別されるようになってしまったということ。本来、恋は「落ちるもの」なのだ。しようと思って始めるものではない。(補足。「する恋」が必ずしも悪いと言いたいのではない。そのように付き合い始めたカップルが、いつの間にか「落ちて始まった二人」と同じような関係になることもままあると、私は理解している。)

だからね、"I cannot help falling in love with you."と言えるような状況を、生まれてから死ぬまでに一体どれだけの人が、経験できるのだろう、と。できないからといってその人がおかしいとは思わないし、こればかりは本当に本当に本当にタイミングの問題だと思うし、つまり「運」だ。そんな、神様、殺生な。

でもね。

案外、世の中は、私が思うよりロマンチックにできていると思うのだよ。

どうしたら神様の恩恵にあやかれるかはわからないけど、もしそのような状況になったら、とりあえず誰か(神様?)に感謝すべきだとは思う。感謝という陽性の波動は、きっと巡り回って各所に良い影響を及ぼすと思うから。

ああ。

落ちていく。

(ちょっと、今日は、自分に酔ってます。)

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