注:この文章はノロケ成分を含みます。
  お気をつけください。

映画でも小説でもなんでもいいけど、「やられた…」と嘆息して立ち尽くしちゃいたくなるような「台詞」って、ある。

たとえば、高校生の頃読んだ山田詠美の小説の中に、こういう「台詞」があった。



「岩がごつごつしてて、砂浜が広がってるの。
岩陰では真水も湧いてるのよ。」
「聞いてるだけで絵が描きたくなってくる感じね」
「あれっ?あなた絵なんて描いたっけ」
「ううん。でも、マリ、そう思わなかった?」
思わなかった。絵の中にいる人間は、絵なんて描かないもんよ。
私が、まいったと思うのは、こういう時だ。
(山田詠美『放課後の音符』・"Crystal Silence"より引用。)



うわー。こんなことを言う女のコが現実にいたら、私ならイチコロだ。

もう一つ。こちらは原田宗典の作品から。



素裸のはずの彼女の足首に何かがあってぼくの肩口に
軽く触れた。見ると
それは銀のアンクレットだったぼくは動きをとめ
−どうしてこんなもんしてるの?
と愚問としかいいようのないことを訊いたその時の彼女の
答えをぼくは今でもはっきりと覚えてる。
彼女はこう言ったんだ。
−目印よ。これしとけば、どっちが右足か、すぐ分かるでしょ。
そうなんだぼくは
この一言にすっかりまいっちゃったんだよその答えは
その時のぼくにとって文句なしに
最高だった。
(原田宗典『優しくってすこし ばか』より引用。)



いいなあ、いいなあ。こういう、本人は何気なく言ってる「台詞」で、私もノックアウトされてみたい。こういうことをいちいち妄想してはしゃいでいる私は、んもうどうしようもなく文系の女で、「言葉」によって得られる目に見えない快感をいつだって欲しているのだ。

というわけで。

最近私がノックアウトされた、ある「台詞」を紹介しようと思う。ちなみに、これは映画でも小説でもない。



「手、というか、腕が三本あればいいのに、って
思うときがある。」
「へえ。なんで?どういうときですか?」
「こう、後ろからぎゅっとしてるっしょ?
両手がふさがってるからさ、なでなでできない。
腕が三本あれば、抱きしめつつ頭をなでられるから。」
(りん『りんの素敵なOLへの道』・
"りんの紛れもない現実の話"から引用。)



こう、なんちゅうか…もう、
あー、やめてくれ!!
って感じ。

He often takes me to the wonder land…

(私の日記は、やはり、恋愛カテゴリに移動させるべきなのでしょうか。)

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