特別な日に、思う2

2005年10月11日
今日は、ある年上の友人(男性)の話を聞いて考えたことを書く。

先日、「自分は少し大人になった。」などと私も書いたが、こういう思想はものすごく危険である。

今秋、誕生日を迎えた私は23歳になった。年齢で「大人」か「子ども」かを判断するわけではない。しかし、ついこの間まで「私は子どもだな、うん。」と何の疑問もなく思っていたのだが、今は「子どもだと自信を持っては言い切れないぞ…」と思うようになってきたのだ。これは事実なの。どうしてかはわからないが、自分ではこういう理由からかなと思っている。

自分が「子どもゾーン」にどっぷり浸かっているとき、私は周囲の大人(年上の人々)を無条件に崇拝していたように思う。同年代の友達ばかりと付き合っていて、年上といえば親や教師しか知らなかった。日記を書くようになって、また就職活動をするようになって、年上の人と話す機会がぐっと増えた。今年になってたくさんの年上の友人ができた。彼らの話は私にはとにかく刺激的で、早く彼らに追いつきたくて、自分を必要以上に良く見せようとして(つまり自分も大人だと思って欲しかったのだね。)、肩に力が入っていた。

「子ども」の特徴として、「大人」がおしなべてスゴイと思えることが挙げられる。自分にとって受け入れがたい意見も、「良薬口に苦し」のように捉え、私は消化しようと努めた。"反発すること"はすなわち、自分を彼らより「子ども」だと認めることだったから。

でも、最近は、自分よりはるかに年上の人の意見にも「それは違うような気がする。」と言いたい。「子ども」か「大人」かでいえば、私はまだ「大人」の新人みたいなものだが、完全な「大人」の落ち着き払った態度になんともいえない"反発"を覚える。でも、これは私が「子ども」だからではないと思う(まあ、それもあるんだろうけど…)。「素敵な大人」と「素敵でない大人」がいると気付いただけだ。

「大人」になれば、帰納法の理論から、多くの事象を自ら経験してそれらから導き出された「一般的なこと」を知るようになるのだろう。これは十分想像できる。現に、私も10年前よりはそれら「一般的なこと」をたくさん知ることとなった。それらを知れば、多分うまく生きられるようにはなる。でも、それは諸刃の剣なのだ。そのことを知らないで、「ま、ボクも色々経験したからね、チミの知らないことを。」などとあぐらをかく姿勢のなんと無様なことよ。

まあ、そんな大人は完全なる「素敵でない大人」なので、ここでは問題にもしない。私が今一番なりたくないのは、諸刃の剣の存在を知りながらも諦めつつある、「一見素敵なように見える、素敵でない大人」である。

「一見素敵なように見える、素敵でない大人」は、潜在的に多くいる。そして、永遠に自分たちがそうだとは気付かないだろう。そして、気付いても修正できないだろう。一見、素敵に見えるからだ。しかし、私は指摘する。彼らはたしかに「大人」ではある。多くの「一般的なこと」を知り、何かを始めるときにも失敗した過去の経験をふまえ、それゆえに瞬発力を失うのだろう。(余談だが、結局失敗したのなら、それはもう純粋に「失敗」ではないか、と。成功したかもしれないのに、「失敗」を栄光のように扱ってはいけないと思うの。)それは仕方のないことだ。でもその事実に納得しきってはいけないと思う。いや、納得することはかまわない。瞬発力を失っていることは紛れもない事実だからだ。瞬発力を失ったことを自ら暴露することがいけないのだ。人前では、どこまでも否定し続けてほしい。「私はまだ大人ではない。」と。

実際に「大人」か「子ども」かどうかの信憑性は関係ない。自分で「まだ大人ではない。」と言い張れば、若さゆえの弾力性をかりそめでも持つことができる。とはいっても、年齢的に言い切るのが厳しい時期に突入することは、私も予想がつく。私たちは三十路や四十路を過ぎた大人が「大人」であることなんて知っているし、それでいいのだ。でもね、諸刃の剣の存在を知っているのに諦めモードに入っているのは、いいか悪いかは別として…私は好きじゃない。

こんな意見を吐いて、やはり「まだまだ子どもよのう。」と皆は思うだろうか。いや、こんなことを言っている私も、あと10年位したら(もしかしたらもっと早く)「素敵に見える、素敵でない大人」になることはわかっている。それが宿命だということも。だから、この「大人でも子どもでもない23歳」の、一番弾力に富み輝いている時期に、こう思っていることを今の大人たちと未来の自分に伝えなければいけないのだ。それが23歳の使命であると思う。期間限定の、使命である。

諦めてはいけない。少なくとも、もがき続けて頂きたい。もがくことは一見「子ども」のようで格好悪いけど、物理的にもがくことが本当に不可能になるまでは、まだまだ「自分は若い」と思っていてほしい。

23歳の「大人でも子どもでもない私」より、現在を生きる「大人」たちと未来の私へ。

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