We were bone to

2005年10月28日
ヘレン・E・フィッシャーの『結婚の起源-女と男の関係の人類学-』(どうぶつ社)読了。

初めて知ったことは多かった。しかし、著者がこの本を通じておそらく言いたかったこと(データや仮定ではなく、著者自らの意見)を、私はかなり昔から考えていたように思う。

人間がそもそもどうして"つがう"ようになったのか。それは様々な環境の変化により、「メスが自力で子どもを育てられなくなったこと」に端を発する。性の契約を結んだ夫婦は、規則的なセックス(動物の中で、人間のメスだけが常にセックスができる。)によってその絆を強め、オスはメスの子どもを守るようになる。

では、メスが自力で子どもを育てられるようになれば、"つがい"関係は必要ないということか。おそらく、そうだろう。片親で子どもを養育することが経済的に可能な現代、もはや子どもの生存という点に関しては必要でなくなっているのだ。それでも、"つがう"ということは無くならないと、著者は語る。私もそう思う。なんとなく。

"つがう"ということは、人間の心の奥深くに刻み込まれているのだ。若者は自然につがうことを覚えるし、それを望む。子どもを作ろうという意志が無くてもつがうし、同棲をする二人もつがうし、子どもを作る時期がとうに過ぎた年輩の男女もつがう。人類が祖先から受け継いできた生得的な行動は、今(現代)も決して失われていない。今でも私たちは、類人猿がするように握手をし、肩を軽く叩き、キスをし、抱き合って親愛の情を表現する。身振りや表情で自分の気持ちを相手に伝えようとするし、相手のエリに糸くずを見つけると、毛づくろいでもするかのように指先でつまみとってやる。

私は、しばしば自分を「動物的なのでは?」と思っていたが、人類の祖先(プロトホミニド)の記憶を、ほかの人より強く残しているのだ。私は、誰かとつがいたい。それは、現代の基準でいえば、ちょっと傾向として強いのかもしれないね。

それでも皆は、私を「恋愛至上主義」とか「男好き」と罵る?人類学者や歴史家は長い間、原始人の狩猟採集生活を「苦しい生活」、「絶え間ない食物探索」などと表現していたけど、当時は今よりもっと豊かだったのではないかな。昔の一週間の労働時間は、本当に短かった(一週間に一回しか狩りをしないこともあった)。皆で必要な分働いた後、昼寝をし、おしゃべりをし、ゲームをし、食べ、歌い、踊り、儀式を行い、祭りを楽しむのだ。

随分昔から、ぼんやり考え続けてきたのだが。

私は、好きな人を見つけて、その人と一緒に食べていくものをなんとか確保して、一緒に「おいしいね。」と言い合って暮らしたい。ほんのちょっとこだわる部分を見つけて、それに関してはちょっとだけ奮発して、一緒に楽しみたい。たとえば、二人して美味しいお酒が好きだったら、たまにはそういうものを飲んだり。料理を覚えて、家でしかできない温かいメニューやお菓子を食べてもらいたい。贅沢はできなくてもいいから、限られたお金の中から本を買って読み合って、たまには映画やお芝居を観に行って、感想を言い合いたい。空いた時間は歌を歌おう。一緒にいる間(労働以外の時間)は、互いの心の中をさぐって交感し合いたい。旅行に行けなくても、そうすることで「ここではないどこか」へ行けるから。いつまでも(それこそ私の両親のように)キスをしたり抱き合ったりしていたい。

それが、"つがう"ということなのだろうか。もしそうなら、私は「結婚」できなくても仕方ないとは思うけど、"つがう"ことは諦めたくないな。

私のこの思いをきちんと受けとめてくれる人がもしもいるなら、私はこの世に生まれて、「メス」に生まれて、これほど幸せなことはないのだけど。

--------------------------------------------------------

本文が超長いにも関わらず、備忘。

●アーティスティックな夜

音大の院に通う友人と、クラシック鑑賞。
(某ホールにて、ヴィオラ・リサイタル。)
仕事のため来られなくなった人が一名。

弦の生演奏を聴いて、改めて思ったこと。
音というのはどこから鳴っているのだろう?友人の解説によると、ヴァイオリンやヴィオラは表の弦から音が出ているのではなく、木の中で反響したものを私たちが「音色」として聴いているのだそうだ。わかったような、わからないような。

理屈ではもちろんわかる。音はあの「茶色い木の物体」から出ているのだ。でも、指を切ったら血が流れるから、血はポイントとしての「傷口」から出ているとわかるけど、音って不思議である。ポイントとして、どこから鳴っているのだろう?
野暮な疑問かもしれないけど。


●本日のお食事

コンサート終了後、会社から脱出した人と合流し、三人で飲む。

「オヤジ。酒をくれ。」と言いたくなるような居酒屋にて。
生ビール×2。その後黒ビールを注文して、ハーフ&ハーフ。本日も焼き鳥を誰よりも多く食べてしまった(あまり反省が生かされていない)。

今後の教訓として。お座敷とわかっているときは、ブーツを控えよう。着脱はスムーズに!人の上着をハンガーにかけてあげる位の余裕を作るためにも。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索