ある情報によると、元カレはかなり傷ついているらしい。

「あなた無しでは生きていけない。」と泣いてすがりついた女が、僅か二ヶ月かそこらで新しく好きな男を作ってしまったのだから、無理もない。ここだけ切り取ると、まるで私が「悪者」である。

今日、洗濯をしながら考えた。父のパンツを干しながら考えた。

最近私に相談してくる女のコたちの話を聞いていると、結構ヒドイ仕打ちをしている。彼女らは「悪者」なのだろうか?"一所懸命考えて"、それでやむなくヒドイことをしているだけなのに?しかし私は気付いたのだが、この世に芯からの「悪者」なんていないんだよね。「悪者」というと、RPGのラスボスのような生まれつき性悪の何かみたいだが、そんなのはどこにもいない。

私が元カレにヒドイ方法でフラれたとき。彼のしたヒドイ仕打ちだけを取り出すと、皆、カレを「悪者」だと罵った。私はどん底の状態から立ち直るまで本当に大変だったけど、その間は"自分のことだけを考えて"、結果、今は幸せである。しかし、その"自らが幸せになるための努力"を行った私は、今度は元カレにとって「悪者」と見えても仕方ないのだろう。

そう考えると、夏に私をフッた元カレのヒドイ仕打ちも、"自ら(元カレ)が幸せになるための努力"だったと考えるべきだろう。カレは「悪者」だ。そして、私もだ。

私に相談してくる女のコたちに言いたいのは、「悪者」になろうとせずになんとかしようなどと考えちゃダメ、ということだ。自分が「悪者」であること、つまり"自らが幸せになるための努力"をすることは悪いのだということを、認識してほしいのだ。それでもみんな幸せになりたいから、自らの幸せのために本当にヒドイやり方で人を傷つける。でも、そういうものなの。一番良くないのは、自分を正当化すること。もちろん傷を最低限浅くしてあげる努力はすべきだけど、傷を負わせないことなんて不可能なんだから。善人ぶっても既に無理なのだ。

だから、今大学構内で元カレに会っても、「私はとっても幸せよ。」と天使のような(自分で書いちゃった)満面の笑みで言ってやらねばと思っている。そして、カレが悲しそうな顔をもししたとしても、「ごめん。」などと絶対に言うものかと思っている。「ごめん。」ってなんだろうと思うから。私は一所懸命"自らが幸せになるための努力"をしただけなのだから、謝る必要なんてないはずだ。謝ることはつまり、申し訳なさを伝えることにより「自分は悪いと思ってるから許してね。」と正当化することじゃないか。それは、してはいけないこと。

私は「悪者」だろうか。うーん、やっぱり「悪者」だね。でもその代わり、カレのことも「悪者」と罵ることはしない。お互い、悪者同士、別々の地獄で別々の幸せを見つけましょう、と肩でも叩いてやるくらいだ。

父(単身赴任中)が帰省すると、一気に洗濯物が増える。フッた・フラれた男の思い出を整理することは、洗濯物を干すことに似ているなと思った。どう干してもいつかは乾くのだが、なるべくなら早く、しわがつかないように干してあげたい。そしてコインランドリーに行かなきゃいけないほど溜め込んでもいけない。

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備忘。

●鯖の味噌煮

料理教室にて。本日のメインディシュは鯖。

魚の煮付けといえば「落とし蓋」と思っていたが、鯖のような青魚は臭みが強いので、蓋をしないで煮た方が臭みが抜けて良いらしい。なるほど!

さらに一緒に煮るショウガも、皮と身の間に臭み消しの成分があるので皮を剥かずにスライスすべき、と。ネギは上から押して繊維を壊してからの方が良い、と。なるほど!!

さらにさらに、ひっくり返すと身がボロボロになるので、盛りつけるときの状態(つまり青い方を上)のまま煮て、煮汁はおたまで上からかけろ、と。どうしても身を壊したくなければ、切り身の場合特に最初に洗ってはいけない。お湯でサッと霜降りにしろ、と。なるほど!!!


●大前誠司・編著『入試評論分読解のキーワード300』(明治書院)

がっつり読んでいるというわけではないのだが。
大学受験の際に、現代文対策で使っていたもの。

実はこの本が、今、役立っている。卒論用の文献だけではなく、たとえば新書を読むときなど、曖昧にしていた単語を理解すると途端に生き生きと読めるようになってくる。

「観念」と「概念」の違いとかね。「デカルト二元論」とか。世界が「心」と「もの」の二つの要素でできていると考える(私たちにとっては当たり前)この二元論は、実は近代以降の考え方とわかったり。当時(18歳の頃)は難しく思われた各キーワードも、今になってみるとまた違う見方で読めて面白い。

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