2005年12月31日
レコード大賞を見ながら、年越しそばをいただく。

我が家の年越しそばは、いたってシンプル。かつお節でダシをとって、鳥肉を入れて、長ネギを入れて、醤油で味付けたそばつゆ。天ぷら(エビ、イカ、掻き揚げ、インゲン豆、ニンジン、イモ、三つ葉)を「もういいよ、そんなに揚げなくていいよ、食べきれないよ!!」ってほど大量に揚げて、一気に食べる。紅白が始まる頃には食べ終わっているのが、理想。今年もイイ感じだ。

私はデスクトップ派だが、最近、裏ルートを使って手に入れたノートPCを駆使し、コタツでこの日記を書いている。我が家は三人家族なので、対面では母が寝転び、側面では父がみかんを食べ、電熱器の下では猫が丸くなっている。ちょうど、今、紅白が始まったところだ。なぜ橋幸夫が出ないのだろう。ソレはソレとして、なんて平和な、これぞ日本の大晦日である。

我が家は、年末年始に旅行をしたり、いそいそと初詣に参ったり、テレビの収録現場に出かけたり、初日の出を見に行ったりなど、アクティブな一切とはまったく無縁な人たちなので、私の記憶する限りではもう24年間、こんな感じで新年を迎え続けている。私だけが高校に入る頃から勝手な行動をしており、特にここ数年は、そばを食べた瞬間から出かけていた。そして、カウントダウンの瞬間は寒空の下にいた。

思えば、あと何回、このような「なんでもない年末年始」を迎えられるのかわからない。小学生の頃はまるで永遠にこんな日々が続いていくような気がしていたけど、父は白髪のほうが多くなり、母は更年期を迎え、猫はそろそろ寿命だ。来年、誰か一人が欠けない保証は無いし、たとえ欠けなくても私が家を一度でも出た後は、もう同じような空気は無いだろう。この家に一番美味しかった時期があるとすれば、もう賞味期限は切れようとしている。

ただ、発酵したものが酒になったりチーズになったりするように、我が家の賞味期限が切れたとしても、それが新たな味を生む可能性だってまだあるはずだ。10年後、私(明らかにキーパーソンは私だろう。)がはたしてどこにいるのか、何をしているのか、両親が生きているのか、すべては予測不能だけど、今より熟成したシアワセを感じながら、相変わらずNHK紅白を見ていられればいいなあ、とは思う。

私の知る限りの人たちは、どうやら穏やかな年末年始を迎える様子なので、喜ばしいことだ。たとえば、今この瞬間に働いている人たちもいるだろうし、必ずしも家でゆっくりするのが正しい大晦日とは思わない。問題は、一年を振り返る瞬間が少しでもあり、敬虔な気持ちになれる余裕があるかどうかだ。そして、家族とそれに準じる人々に感謝をできる状況にあるかないか。

そういう意味では、恵まれた大晦日である。

皆様、良いお年を。

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