秩父の六人

2006年1月4日
一泊二日の温泉(あれはたぶん水道水)旅行。

大学一年の春、数奇な運命に導かれるがごとく集った(って書くとあまりに大袈裟すぎる。。)六人がいて、「あすなろ会」よろしくしょっちゅう顔を合わせていたのに、遠出をしたのは今回が初めて。なぜなら、全員がグダグダ過ぎて、いつも計画が一向に進まないから。まさに記念すべき、プチ卒業旅行。


●構成メンバー。
TK … 男、王子系、特技はクロちゃん(by安田大サーカス)のモノマネ。
A香 … 女、新しいモノ好き、恵比寿に住むことが目標。
H之 … 男、水戸出身、美脚。
Aっぺ… 女、小振り、プロテイン愛飲。
K子 … 女、少年の心を持つ、滑舌が良くない。
りん … 女、才色兼備。


●電車でGo!
池袋から西武池袋線で飯能へ。その後、ローカル線に乗り換え、埼玉は秩父へ直行。真冬になぜわざわざ寒いところへ向かうのか、本人たちもよくわからないまま出発。

車内は退屈なので、「学園ドラマごっこ(詳細設定を決めて、すべてアドリブで)」をしたり、いきなり20枚近く写真を撮ったりと、ほかの乗客に迷惑なことばかりしてしまう。ローカル線はさらに乗客が少なかったので、各自の「異性に求めるもの」を挙げまくり、おまえら何様だ的トークで盛り上がる。ちなみに、この「異性に求めるもの」は、それぞれのカラーが色濃く出ていてわりと面白い。

女1いわく 「おもしろい、明るい、背が高い」
女2いわく 「生命力、教養(含雑学)、エロさ」
女3いわく 「ゴツさ、よく喋る、よく食べる」

紙に書き出したら、もっと面白かったかも。

ローカル線の終点で降りて、地域密着型の定食屋で昼食をとる。店のおばちゃんがナイスキャラ。デジカメを渡したら「おばちゃん、機械は苦手だよ。」と言うので、散々時間をかけたにもかかわらず、ピースをする私たちより上部の空間が大きい、という素敵な写真が完成した。


●チェックイン→体育の授業。
寒さに凍える。民宿に到着後、運動着に着替え、併設された体育館(半日で三千円)へ。今回の旅行の目標は、"みんなでスポーツを楽しむこと"。

体育館に近づくほどになぜか異臭が漂い始め、「まさかこの体育館から!?」と訝り、扉を開けてみたらモワ〜ン…と。全員がドン引き。が、入ってみたら、異臭の正体は近所の家畜小屋と判明したので、ホッ。が、凍結中のトイレ(使用不可)の周辺は要注意ゾーン。

体育の時間という"設定"なので、お互いを名字で呼ぶことに決定。TK先生の号令で、準備運動。バドミントン部出身のH之指導のもと、持参したラケットを用いてダブルス。運動部を先月引退したばかりの二名(Aっぺ、K子)の活躍は無し。かなりレベルの低いゲームを15点先取制で延々繰り広げ、ほぼ全員が右手を痛める。

バドミントンに飽きた後、何をするかでミーティング。「ハンカチ落とし」は人数が少なすぎるという理由で却下。「だるまさんが転んだ」も却下。「色鬼」が脚光を浴びたものの、体育館に色が少な過ぎるという理由につき却下。結局、「氷鬼」を採用。

ン年振りに全力疾走。いい汗をかくと同時に動悸息切れを起こす、平均年齢22.5歳の面々。大人になってからやる鬼ごっこは、当時以上に頭脳戦だと思われる。鬼が一人の場合は闇雲に逃げ回っても十分通用するが、鬼が二人の場合、逃げる側は誰か一人をおとりにして残りの三名が散り、おとりを仕留められた後に分散する鬼二人を二名がマークし、固められたおとりをもう一名が救出するという手はずにしないと、とてもじゃないが回らない。

暗くなるまで遊ぶ。


●旅行の醍醐味。
夕飯はイノシシ鍋。初めて食す野生のイノシシはプリプリしていて、不思議な噛み応え。茶飯と白米を、おひつがからっぽになるまで食べる。酢の物の黄身酢添えや、数の子や、茶碗蒸しなどとても美味しく、値段のわりに味もボリュームも大満足。

夕食後、このまま寝てしまうのではないかというグダグダさを振り払いながら、入浴準備。お風呂に向かう番になって、性別が違うことを驚きながら再認識。

女だらけのメイク落としタイムは、やや楽し。どんどん顔が「ツルン」になっていくにも関わらず、むしろ得意げなK子。バルタン星人並の腹筋を持つAっぺは、鏡の前でボディビルダー・ポーズ。その美しい肉体に驚嘆するA香が、一番女らしい反応(すっぴんを恥ずかしがる)をしていた。が、本日のMVPは、民宿のおばちゃん。一般客(といっても、私たちだけ)の脱衣所に颯爽と現れたのだが、ムッチムチのボインボインだったの!!おばちゃん、少しは隠して!


●節操の無い宴(歳のため、オールできず)。
入浴後は、ビールと酎ハイで乾杯。お菓子をハイ・ペースで完食。ディープな話になるようなならないような、そのわりにお互いがお互いの話をあまり真剣に聞いていないという、好き放題さがウリの私たち。

一生分やったのではないかと思われるほどクロちゃんの真似をしたり、タケノコニョッキゲームをしたり、思い出したように写真を撮ったり、「ベスト・オブ・ヒップ」を決めたり、22歳にして初めて彼氏ができたK子をエロ班二名でからかいつつ過ごす。このK子は、以前、TKを「○○ちゃん(彼氏の名前)」と呼んでしまうという、小学生が先生を「おかあさん」と呼んじゃう系の恥ずかしいミスをしたのだが、本日、この私がH之に対して同じミスを犯してしまう。

寝る間際までクロちゃんになりながら、ぽつぽつと落ち始める。早朝四時、最後の一名(Aっぺ)が陥落。





750万円で秩父に家を買えるという情報を聞き、沸き立つ一同。口座を開いて毎月少しずつ積み立てて、六人専用の別荘を買おうかという話に。数年後(みんなに子どもが生まれる頃)に実現できたら本当に楽しいよね、と。

最近、こうして大切な人々と大切な時間を過ごせることが尊く感じられて、たまらない気持ちになる。卒業が近いせいで、ノスタルジックになっているのだろうか。秩父の寒さは身に染みたけど、私は、寒さとは違う何かが芯まで染みるような気がして、大学に入って良かったなあ、と思ったよ。

来春以降別々の道を歩み始めるみんなに、幸あれ。

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