「映画を切らしているんだ…。」と嘆くマイラヴァーと、映画デイト(雪天決行)。

私の「映画好き度」を数値化すると、日本平均を大きく下回る。…のは、去年までのハナシ。今年の私は違う。今週末は、合計三本も見てしまった。しかもすべて映画館で、だ。まさに未曾有の出来事。雪が降ったのは私のせいかもしれない。恋は、映画嫌いの女さえ変えるのだ。ラヴ・イズ・ミラクル。

一本目。『キング・コング』を観賞。

とにかく大興奮!!お化け屋敷に入ったときに感じるような、純度の高い恐怖を味わう。雷鳴に驚いて「キャー!」と男にしがみつく女子が今時いるのか知らんが、それに近いことを本気で(かなり本気で)したくなるほど戦慄した。

観賞後、新宿でランチ。カレーの王子様は本日もカレーを召しあがる。

二本目。『プライドと偏見』を観賞。

本当は『ALWAYS三丁目の夕日』を観るつもりだったのだが、大入り満員につきはじき出される。私とマイ・ラヴァーの共通の友人が薦めていたということもあり、こっちにしようか、とチケット購入。入館。「いやー、代わりに観たいものがあってよかったなあ。しかも丁度イイ時間に。」「ほんとだねー。良さそうだよねー。事前予習まったくしてないけど。」などと語りつつ、ワクワクしながら予告編をやり過ごす。

さっきまでワクワクしていたのに、開始五分でいきなり寝るマイ・ラヴァー。彼のことは無視しようと決める。観賞後。映画を観るたびに何かしら買う彼も、さすがに今回のパンフレットは買っていなかった。あの部屋にあれ以上本が増えたら文字通り「足の踏み場も無い」状況になるので、「ああ、よかった。」と私が一人ホッとしていたことも、彼はおそらく知らない。

夕食は、パリのビストロ風レストランにて。

連れてけ連れてけと騒いだ中華のお店は、絶賛好評中につき予約できなかったそうな。が、ここも雑誌で取りあげられるほどの人気店らしく。雪にもかかわらず、商売繁盛のご様子だ。気取りすぎない内装は好印象。食前酒(リレ&シェリー)で乾杯→軽いボディの赤ワインをいただく。牛のイチボ(モモ肉の中でも柔らかい部分)を包丁で叩いてタマネギやピクルスを混ぜ込んだタルタルステーキ(売り切れご免らしい)を、予約の段階で押さえておいたマイ・ラヴァー。彼の食べ物に関しての抜かりの無さは、パリジェンヌもビックリだ。

どうしても断れないまま授業関係の飲み会に参加したのが、つい先日のことだ。場所は某ターミナル駅のチェーン居酒屋。金曜日で大人数なのに、予約もしないで殴り込みだ。幹事の手際の悪さとジェントルマンシップの少なさに興ざめしたのだが、よく考えると、私の基準の方がかなりおかしいのかもしれない。彼(幹事)にはすまないことをしたと思う。それにしても「大学生らしい飲み」に行かなくなって久しい。学生と社会人を比べちゃういけすかない女になることを、何より恐れてはいる。が、私は、「人とお酒を飲むこと」は大好きだけど、「ただの飲み会」は好きじゃないんだ。酒を味わうのではなく、酒を飲んでいる事実に既に酔っているような人と飲むのも好きじゃない。…などと考えながら、慣れた手つきでワインのテイスティングをする彼をうっとりと眺める私は、やはり身も心もいけすかない女になりつつあるのだろうか。

ほろ酔いのうっふん状態で店を後にする。私はうっふん気分なのに、学生時代の友達と久々の飲みがあるから一瞬顔を出してくるとおっしゃるマイ・ラヴァーが、一時離脱。鍵を渡され、一足先に彼の居住地へ。

「散らかってますけど。」と言われなかったことが無いワンルームで待機。「今日は床が見えるので大分マシだな。」と思う私の感覚は、最近やや麻痺気味だ。

12時。まだ来ない。1時。まだ来ない。2時。まだ来ない。3時。まだ来ない。雪は降っているのだろうか。とにかく部屋が猛烈に寒いと気付き、対策が必要になる。ニットの上に彼のフリースを着、さらに彼のコートを羽織り、布団を座敷童のようにかぶって読書。そのうち怒りがこみ上げてきたので、トイレ掃除なぞする。トイレの汚れを恥ずかしがるに違いない彼に対しての、ささやかな嫌がらせだ。さらなる嫌がらせとして見られちゃいけない物でも探してやろうかと思ったけど、それはさすがに気の毒なので控えた(私も見たくないし)。

玄関で土下座することになった彼が帰宅したのは、早朝4時前のことである。

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映画の備忘。

●『キング・コング』(監督:ピーター・ジャクソン 2005年)

いやはや、素晴らしい。

気鋭の脚本家を演じたエイドリアン・ブロディに惚れた。この人、未チェックだった(私の場合、全俳優の95%は未チェックなのだが)。滅茶滅茶、タイプ。冒険活劇では当たり前のことになっているけど、実際、私たちのような民間人がいざジャングルに突入できるかといえば、かなり怪しい。今回も、ヒロインを救いに向かったのがエイドリアン・ブロディではなくハリソン・フォードとかだったら、あまりにもフツウ過ぎる。そんなフツウな彼(というか、むしろ不健康そうだ…)や、コミカルなジャック・ブラックという、いわゆる一般人が危ない目に遭うからこそ、「えー!!どうなっちゃうのー!?」という意味で恐怖が増した。見所がありまくりだが、とにもかくにも、エイドリアンだ。素敵。目がハート。チェケだな。

(解説:諸事情につき、2006年のりんは、一見不健康そうな文化系で憂いを帯びたタイプの男に興味の対象が移っている模様です。)

誰に対しても薦められる、大人から子どもまでワクワクできる、映画らしい映画、でした。



●『プライドと偏見』(監督:ジョー・ライト 2005年)

「イイ映画だな。」とは思ったけど、大好きなタイプの作品ではない。

牧歌的なのにどこか薄暗い雰囲気を常に纏った本編だが、随所にクスッと笑えるシーンがあり、シニカルを愛する大人に受けが良いと思われる。タイトルが押しつけがましくなく、最後に「なるほど」と納得できる位に静かに主張している。AとB、というタイトルのこのさじ加減が絶妙だ。プライド、という作品だったらもっとヒロインが高慢ちきに見えたかもしれない。偏見だけだと、教育的な意味を含んでしまうような。

年末の『SAYURI』に引き続き、女の生き方とはなんぞや、を考えさせられる作品。

上流階級の男性と結婚すること、それを盲目的に目指す女性が"フツウ"だった時代。さぞ息苦しいことだったろうと想像されるけど、私はむしろ、二者択一の自由が与えられている現代日本に生きる女性は、逆の意味で息苦しいのかもしれない、などと思った。揺るぎない(周りの誰もが認める)価値観が絶対性を持っていた時代を後から振り返るから息苦しく見えるだけで、当時はそれが当たり前だったからこそ、伸び伸びとしていた人もいるんじゃないかな、と。それこそ、ヒロインの妹のように。

ダーシー氏の求愛方法は無骨でよか。ただ、ろくに二人きりで時間を過ごしたことがないのに簡単に「愛してる」と言えちゃうのね、というあたりは、時代性とお国柄の問題もあるだろうけど、ちとマイナス。

コメント

nophoto
裕之
2006年1月25日2:00

キングコングはちっとグロいよね。俺はずっとしずかちゃんみたいにして何とか見てました。食欲なくなったね(笑)ナオミワッツは生でもかわいかったよ。

りん
りん
2006年1月25日23:09

>ひろゆき
あははは!私もしずかちゃんみたいにして見てたよ(笑)。ってか、どこでナオミ・ワッツに会ったのさ!?

nophoto
裕之
2006年1月26日2:53

記者会見さ。タカやんと行ったの(笑)

りん
りん
2006年1月27日21:58

誘え(笑)。

nophoto
裕之
2006年1月27日23:30

あは(笑)

すまぬ。

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