立春に思う

2006年2月4日
書くことが無いようなあるような、そんな一日。

メイプルジャム・オン・ザ・トーストで、ブランチ。コタツで寝ころぶ母を横目に、夕飯の構想を練る。親が料理嫌いだと、子どもは料理好きになるのだろうか。でも、世間には、料理上手の母に触発されて料理を小さい頃からしていた、という人も多いしな。なんにせよ、ネクラの一人っ子(←私のこと)が家ですることといえば、ゲームをするか(卒業)、絵を描くか(最近ご無沙汰)、本を読むか、料理をするか、だ。

いそいそと料理本を広げる。まさに、至福のひととき。

本を読んで「あ、コレを作ろう!」と思っても、マイナーな調味料を揃えていない我が家なので、わざわざ買い足さなければいけない。そういうわけで、ずっと作りたいと思っていたマリネも、密かに興味があるココナッツカレーも、作れずにいた。ナンプラーを使うアジアンメニューや、甜麺醤を使う中華料理も不可だ。

こんなことではいかん!と決意し、レパートリー拡大のために、買い出しへ。節分寒波の中を、震えながら行く。我が町には、最寄り駅に密接した食品街と、誰でも知ってる大手スーパーがある。両方を交互に物色して、一円でも安く購入したいところ。「ついでに、卵と、牛乳と、ワインと、発泡酒を買ってきて。」と出がけに母に言われたが、重い物ばかりじゃないか。まったく。

エキストラバージンのオリーブ油と、ワインビネガーと、クミンパウダーと、カイエンヌペッパーと、オレガノと、料理用の白ワインをゲット。冷凍食品4割引をやっており、目の色を変えて購入してしまったけど、母に頼まれた食材プラス野菜を足したら、両手に余るほどの荷物になってしまった。ヨタヨタしながら階段を上る。漫画のように転ぶ。観衆、大注目。卵が入ってたことをハッと思い出し、転んだまま急いで確認するも、何個かお亡くなりになっていた。あ゛ーーーーーーーーーーーー!!!と叫びたいところを、ぐっと堪える。M玉一パックが189円だから、卵一個につき18.9円の損失ナリ。涙が出ちゃう。

タマゴ事件はとりあえず忘れ、さっそく調理。

珍しいスパイスの蓋を開くと、我が家ではかつて嗅いだことのない香りがした。しばらくすると、スパイスと家の生活臭が混じってさらに独特な香りになる。でも、私、この香り、よく知ってる、と気づく。そうだ、我が恋人の部屋の匂いだ!と判明した瞬間、台所で爆笑。カレーばかり食べている彼の身体から発される匂いなのか、カレー用のスパイスが置いてあるキッチンの匂いなのか、そこらへんは謎だが。(キッチンの匂いだといいのだけど…。)



●シーフードのマリネ。

トマトを湯むきして、スプーンの柄で種を取り除き、1?角に。紫タマネギをみじん切りに。するめいかをまるまる処理して、食べられる部分を1?幅に。茹でだこをすりこぎで叩いて、ぶつ切りに。輪切りにしたレモンはイチョウ切りに。

いかは、塩、こしょう、白ワインでつけておく。マリネ液は、塩、クミン、カイエンヌ、オレガノをお好みで振った後(私はややクミンを多めに)、ワインビネガー少々、混ぜながら少しずつエキストラバージンオリーブ油を加えていく。出来上がったマリネ液の中にトマトとタマネギを入れて、よーく混ぜる。

フライパンにオリーブ油をたらし、みじん切りにしたニンニクを弱火で炒め、香りを出す。つけておいたいかを中火で炒め、色が変わったらたこを加えて、さっと炒める。そのままマリネ液に加え、もう一度よーく混ぜる。平らなバットに流し、密着ラップをして、味を染みこませる。しばらくしたらいかをひっくり返し、さらに寝かせる。数十分寝かせたら、冷蔵庫で冷やす。

食べる前に、薄切りレモンをON。





初めて作ったマリネは評判も上々。ワインに合うそうだ。食べてくれる人(今日は母)がいるからこそ、私は料理をしたいと思う。誰かと一緒に料理をする楽しさもさることながら、私の料理を待つ人が向こうにいる、という心境の中で行う、何かを混ぜたり、炒めたり、茹でたり、という作業は、人を優しい気持ちにする。女性が優しいと言われるのは、その優しさの性質が女という性に元々備わっているからではなく、こうした作業(女性がしがちな)を積み重ねるからじゃないかな、と思ったり。

夜は、配達。

父がいない日は、私が家業を手伝わざるを得ない。それでも、我が家の家業が配達を主にするものでよかったな、と思う。運転は嫌いじゃない。締め切った車内の空気と、道路上の規則的な光群は、私を軽い瞑想状態に導く。バイト先で先輩に言われた言葉を思い出す。「あなたは抽象世界を好むから。」とのこと。人に何かを説明するとき、私は、事象から抽出した普遍的で抽象的な何かを語って聞かせる。でも、それは私にはわかりやすくても、誰にとってもそうとは限らない。事象のひとつひとつを大事にして、いつでも具体的な世界に生きる人もいるんだ。でも、少なくとも私は、23年かけて培った私の抽象世界を大事にしたいし、それをわかってくれる人がいたらいいな、と思う。

それにつけても、寒い。はーるよ、来い。はーやく、来い。来い、こい、恋。そうだ、恋は来てました、と思って携帯を見たら、愛も来てたとさ。

------------------------------------------------------------------

その他雑感。

●ソフトコンタクト→ハードコンタクト。

ドライアイ&目にアレルギーがあるため、医師の薦めによりハードレンズに鞍替え。未だに慣れず、視界が海のようにぼやけるし、瞬きのたびにゴロゴロする。

いつまでこうなのだろう。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索