そういえば昨日はバレンタインデーだったけど、あのりんがこんな一大イベントの最中に日本を後にするなんて…と思う人もいるかもしれない。ご心配なく。祖国を離れようと、そこは抜かりのないワタクシ。しかし、"仕掛け"が無事稼働したかどうかが気になって気になって、観光中もついつい魂は日本へ。が、そんなことを友人たちに話したら「日本のことは忘れるべし!」と一喝されるのは自明なので、目の前の美しいモノを見てなんとか気を紛らわそう。

本日はついにローマを離れ、花の都・フィレンツェへ。

トスカーナ辺境伯の支配下にあったフィレンツェは、東方貿易と毛織物生産で栄えたそうな。政治力を備えた金融業者・メディチ家の元で14〜15世紀にルネッサンスが開花。というわけで、美術館に教会に当時の彫刻、絵画、レリーフ等が目白押し。街が丸ごと美術館、といった様相に興奮を隠せないミキティとまゆげ(←教会美術好き)。実は、私も、芸術のどの分野が好きかと問われたら、迷うことなく15世紀前後のルネッサンス絵画と答えるほどなのだが、二人を見ているうちに、私の生半可な芸術への憧れを語るのは失礼ではないか、という気さえしてきた。

とはいえ、フィレンツェは本当に素敵な街だ。個人的には、ローマより断然好み。色が少ないシックな町並みと、それとは対照的に色鮮やかなドゥオーモ(聖堂)のコントラストは一見の価値有り。ただ、街のシンボルとも思えるドゥオーモが一部修復中だったことと、天気が芳しくなかったことが残念といえば残念だ。

到着後、まずは、常に人が押し寄せるという噂のウッフィッツィ美術館へ。ここは、ボッティッチェッリ、ミケランジェロ、ラファエロなど、ルネッサンスを代表する画家による傑作が集結している。期待が高まるというものだ。季節(真冬)と、天気と、街が修復中という事情からか、空いている。「この絵、教科書で見たことがある!」と叫びたくなるような作品ばかり。特に、傑作・『ヴィーナスの誕生』と『春』は、スケールといい色遣いといい、とにかくスゴイ。この旅行中、初めて感動らしい感動をした気がする。ただ、私が一番楽しみにしていたラファエロの『ヒワの聖母』を見て感動していたら、貸し出し中につきレプリカだったという事実を後から知らされ、自分の審美眼にやや自信を持てなくなった。

ウッフィッツィを出て、天国の門を軽く流し、ドゥオーモ内を観賞→サン・マルコ美術館へ。この美術館は、まゆげがどうしても訪れたいと言っていた少々マイナーな美術館で、ドミニコ派の修道院を改築したものらしい。が、開館時間が朝の8:15〜午後13:50という、オイッ!と突っ込みたくなるような所で、入館できず。落ち込むまゆげを励ましつつ、残りの自由時間はショッピングに徹しよう、という算段。

市場のようなエリアにて。可愛らしいエプロンを発見。「エプロンが欲しいなあ。」と思いつつも、高校時代に家庭科の授業で作ったお手製エプロンをいつまでも使い続けているワタクシ。購入決定。しかもその場で名前を縫いつけてくれるということで、嬉しさのあまり、大はしゃぎしてしまった。そのはしゃぎっぷりがお気に召したのか、店主のお兄さんが妙に優しかった。私の名前が筆記体で書かれた、イタリア製・ギンガムチェックのエプロン。かわゆい。あまりにプリティなので裸につけた方がサマになるのではないかと思われるほどに、かわゆい。

夕飯は、たまたま見つけたオシャレなデザート屋にて。デザート屋で夕飯を食べることの不可思議さよ。着いた当日から感じていたことだが、皆があまりに「これ、私、無理。」とか「これは食べられない。」という物が多くて驚く。11日間の長きに渡って朝から晩まで顔を付き合わせているということは、つまり、3×11の食事(実際はそれより少なかったが…)を共にするということ。それによって私が学んだことは、食に対しての価値観がある程度一緒だということはもちろん、それなりに何でも美味しく食べられる、という基本的な能力がある人じゃないと私は一緒にいられない、ということだ。が、私がトイレに行っている間に「りん、絶対我慢してるよね…。」と皆が心配してくれていたらしいことを知り、若干申し訳ない気持ちになった。

ホテル到着後。Qooが彼氏に国際電話をかけるというので、驚く。というのも、私たちが電話しやすい時間というのは現地時刻の夜で、日本は早朝四時か五時という、あり得ない時間帯。Qooの彼氏と同じくらいに宵っ張りな彼氏を持つ私ではあるが、さすがに気の毒だと思い、日本が朝になるまで起きていることにする。マイ・ラヴァーが起床する時間を時差を考慮して計算し、皆が寝静まった丑三つ時にこっそりtel。バレンタインのシークレット仕掛けはどうやら誤作動を起こしていたようで、届くはずの物が届いてないという、「ガーン!」な展開。遙か異国の地から日本の運送会社に恨みの念を送りつつ、「こりゃ、無事に届いたかどうか確認できるまで、国際電話は欠かせないな…。」というイヤーンな展開に。イヤーン。

それはそれとして。本日も歩きまくり故、深夜のラブコール後、倒れ込むように就寝。明日もおそらく歩きまくりだ。

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