3月2日の読書メモ

2006年3月2日
山口瞳の『勤め人 ここが「心得遣い」』(小学館文庫)、読了。

「新入社員諸君!おめでとう!さあ、人生は大変なんだ!」というフレーズが130回くらい出てくるという、まさに、"人生の先輩"による新入社員のための本。というわけで、コレは私のための本なのだ。と思って読み始めたはいいのだが。

「ネクタイの選び方」(ハイヒールの選び方とかは無いの?)、「嫁の探し方」(婿の探し方は教えてくれないの?)、「ホステスとの付き合い方」(ホステスのいる店には行く機会が無さそうだ)、などなど、どうも、ひとくくりに新入社員向けというよりは、新しく社会人になる男性向け、という気がした。著者の山口氏は1926年生まれということで、「うーん、"勤め人"とはコレすなわちサラリーマンのことだったんだなあ。」と思ったり。

無意識レベルで(もしかしたら意識的かもしれないけど)女性を排除したこういう本を読んだからといって、「女性蔑視だ!」といちいち目くじらを立てるつもりはこれっぽっちも無い。が、「(ホステスに対して)しょせん女だから仕方ない。」とか「女にわかってたまるか。」というフレーズが多くなってくると、良い気持ちにはならない。会社に勤めるということが男性に適した行為だと仮定するなら(あくまでも仮定、ね。)、女性に適した何かが別にあるということで、当然、同じように、「男にわかってたまるか。」というシーンが出てくるはずだ。が、「男にわかってたまるか。」という台詞を自分が吐くところを想像するとなんともいえない気持ちになるし、つまり、私は、男性女性がどうこうというより、単にこういう表現があまり好きになれないのだと思う。

さらに。

著者はもちろんサラリーマン経験があるということで、発する一言一言に重みが感じられる。色々と苦労しつつ自力で導き出した「こうあるべきだ。」という理論だろう。が、「そんなに力強く断言しちゃっていいの?」という気はする。例外はいつだってあるだろうに、例外を差し挟む余地も無い、と言わんばかりの潔い断定っぷりだ。その分、ピタリとはまる場合はものすごい説得力を伴うのだろうが、「勤め人の現実はそこまでシンプルなのかな?」という気が、(まだ働いてないけど)なんとなーく、する。

そうはいっても、そんな中から何の学ぶべきことも見つけられなかったら私は愚か者と言われても仕方ないので、最初は(そう、最初は。そういう気持ちが大事だと著者は言いたいに違いない。)、馬鹿正直に、この本から私の現実に適用できそうなエキスを抽出しようと思う。

著者いわく。

一、自分が間違っていると思ったらすぐに訂正したまえ!(ハイ!)
二、心に理想を抱く人間になれ!(ハイ!)
三、大企業でも中小企業でも、誠心誠意でこつこつやりたまえ!(ハイ!)
四、何事も、あわてず、おそれず!(ハイ!)
五、品行は少しぐらい悪くてもいいが、品性は良く保つべきだ!(ハイ!)
六、苦しみつつ、なお働け、安住を求めるな、この世は巡礼だ!(ハイ!)
七、酒は愉快に飲め!終電で帰れ、タクシーに乗るな!(ハイ!)
八、わからないときは「わかりません。」と言え!(ハイ!)

ほかにも色々あるが、私が、グッ、ときたのは以上のフレーズだ。とりあえず、覚えておこう。今春以降、再読し、私はどんな感想を抱くだろうか。

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以下、うねうねと。

●ケータイ、機種変更。
一年振り。ピンクで愛らしく春っぽい。新生活向け(と勝手に思っている)。ケータイは通話とメールさえできれば何でもいい、というタチなので、一番安いものを。
最近ようやく気づいたが、私は、結構かわいいモノ好きらしい。色を選べ、と言われたら、大抵はピンクを選ぶ。ハートモチーフが好きだし。キャラクター物は持たない主義だし、あくまでもクールビューティを目指しているつもりなので、あまり気づいていなかった。普段は知的かつクールで意外に乙女、というギャップを狙いたいのか、自分よ。
…と、書類にサインしながら思った。

●ウィスキー(自分用)を買ってみようかと思案中。真夜中の発泡酒は寒々しい。

●甘いぞ、と言われることは承知の上で。
考えなくてもいいような抽象的なことばかり考えてしまう。それもこれも、時間が有り余っているせいだ。そんな状態も僅かあと一ヶ月なのだが、就職したら目の前の新しい仕事に追われて、「すぐに役に立たないこと」を考える暇は無いだろう。それでも、きっと、すぐに考えなくてはいけないこと(仕事に関すること)を考えながらもふと考えてしまう役に立たないこと、そういう中に私の求めるものはあるのではないか、という気がしてならない。

●大阪で働くお友達(女性)と、「可愛い女がなんだ!」「巨乳がなんだ!」という話題で、大いに盛り上がる。

●嗜好の変化。
最近、ひしひしと感じる。パスタを食べるなら絶対トマトソースだったのに、カルボナーラもいいよな、などと、保守的な姿勢が崩れてきている。

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