充電日

2006年3月5日
マイ・ラヴァーと豚しゃぶ@恵比寿。

休日なのにウンウンと企画を練る彼を待つ間、自宅にて待機。時間があるし、と、買ったばかりの雑誌を見ながら洋服のコーディネート。本日は、久々のぽかぽか陽気。パリの露店で買ったチェリーピンクのパシュミナを巻いて、ブーツは中止。ファーがついたダウンジャケットは、フードを外して身軽に春っぽく。コーディネートは、こうでねーと。

夕刻、デイトstart。

笑われるかもしれないが、半年経つ今になっても待ち合わせは緊張する。自分が早く着いた日は、どっちから現れるんだろう、と常にドキドキ。向こうが先に着くと、駅の改札を出た瞬間に不意打ちのように射抜かれるので、それも困る。どちらの日にも共通するのは、会えて嬉しいはずなのに顔を直視できないこと。「えー、本日はお日柄も良く…。」と、目の前の空間にのの字を書きたくなる。

本日のお店は、素材となる豚肉(山形県・庄内特産)にかなりこだわっているらしい。鰹ダシベースの付けダレに、柚胡椒、ゴマ油、ネギを加えて頂くスタイル。脂肪のやや多いバラしゃぶと、さっぱりしたモモしゃぶを、一人前ずつ。「しゃぶしゃぶ屋」というより、「豚肉料理屋」といった趣向のこの店。ほかのメニューも充実しており、ミミガーを塩ダレ・ネギ乗せで食したり、臭みのほとんどないプリプリのハツを串焼きで堪能したり。ンマ!

箸を(私の方は)一切休ませず、会話もあっちこっちへ。

来月から始まる私の仕事の話、彼の仕事の話、エビスビールは旨いという話、過去のバレンタインにまつわるビターな話、高校時代は(今も?)斜に構えてたという彼の話、長澤まさみにはぜひ自ら告白をしてほしいというアホな話、などなど。

〆は、豚肉のダシが残った鍋にラーメンを入れてもらい、余ったタレに付けて。「ラーメンは一人前でよかったね。」「ラーメンは二人前だと多いね。」「うーん。ラーメン、多い。」「ラーメン、全然減らないね。」と、もうわかったよ、と突っ込みたくなるほどに繰り返すマイ・ラヴァー。彼氏よりいっぱい食べるヒズ・ラヴァー。まだまだイケるぜ酒も肉も、という持ち主も呆れかえる胃袋を持つ私を、心の奥底で彼はどう思っていることやら。

その後、彼の家にて、いただきもののコーヒーをズズー、と。

コーヒーを淹れるのは私の役目。グラインダーのスイッチをいそいそとON。タイ産のコーヒーなのでせっかくの風味が生かされるように、と粗挽きに。某シアトル系カフェで買ったプレスにお湯を張り、タイのコーヒーと初・謁見。さすが東南アジア産、酸味がほとんど無い(私好み)。コクがあるのに後味スッキリ、というありそうでない絶妙なバランス。珍しい(と思われる)乾燥式加工の豆なのか、香ばしい大地の香りがダイレクトに漂う。「食べたい。」と言っちゃいかんとわかっていたのに「食べたい。」と言ってしまった、彼がもらったはずのバレンタインチョコもお茶請けに。「これは日本のチョコかなー?」「タイのチョコかもねー。」「なんにせよ、ウマイ。」「とりあえず、この袋が可愛いね。何かに利用した方がいいよ。」「うーん…俺には思いつかん。」などと言いながら、散らかった部屋の中心でエレガントなコーヒータイムを過ごす。

決して広くはないワンルームにて、考えたことが少々。

海外旅行に行きたいと思う動機は色々あれど、おそらく共通するのは、異国へのなんだかよくわからない憧れだと思われる。見たことがないものを見たい、触れたい、聞きたい、という強いエネルギーが、人を旅立たせる。そして、一度でも海外に出てわかったことは、そのエネルギーはもちろん私の中にもある、ということ。ただ、それは、必ずしも「旅行」という形をとって叶えてやる必要はない、と。

マイ・ラヴァーは(わ、私にとっては)不思議な瞳の持ち主だ。目が離れているというほどではないのに、焦点が合っていないような視線を放つときがある。以前、本人に確認したところ、たしかにそういう(焦点が合わない)傾向は若干ある、とのことで、私はそれ以来「ああ。」と思っている。彼が伏せていた目を上げて私を見るとき、私の向こうの遙か彼方の空間を見ている、と思う一瞬がある。その瞬間の瞳は、人が遠い異国へ思いを馳せるときに抱く何かと同じ匂いを漂わせながら、私を捉える。そのことにふと気づくと、ここがたとえ日本であれ、狭いワンルームであれ、自分がまるで遠い国へ連れ去られたようなふわふわとした気持ちになり…

…つつも、本日はイイコなので、オウチに帰る。

帰りの電車で平井堅(「君が僕に憑依した!!」)を聴く。

取り憑いちゃっているんだ キミが 四六時中僕の中に
棲みついているんだ 寝ても醒めても キミに夢中さ
掻きむしるんだ 寝ても醒めても キミが好きさ





今日も、絶好調です。

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