Wake Me Up Before You Go-Go!
入社式。

余裕を持って起床。おろしたてのスーツ(春色)に袖を通して、ストッキングを履いて、お化粧も念入りに。胸元にはネックレス。すぐに錆び付くシルバーではなく、上質なゴールドやプラチナをさらりと身につけられるようになるのはいつだろう、と思っていたけど、「私には早いよ。」と思われたダイヤが、今日の私を祝福するかのごとく、スーツに馴染んだ(←気のせい?)。

母に「がんばるのよ〜!」と見送られながら、OL・りん、出陣!

ゲキドーの就職活動を経て今日を迎えたので、どうにも感慨深い。この私がOLに? 信じられない。信じても信じなくても電車は進む。昨夜、ある人に「間違えて俺の住む駅で降りちゃ駄目だよ。」と言われて「そんなことあるわけないでしょ。」と答えていたのに、いったい何を考えていたのか、先月まで通っていた大学方面の電車に乗ってしまう。ひょえーこっちじゃないよーと気付いて引き返すも、さらに強風で電車が止まり、しょっぱなから遅刻、というサイアクな状況を、まさにギリギリのラインでかわす。スーツのねーさん、猛ダッシュ。どうにも暗澹たる気配漂う初日である。

滞りなく式は終了し、研修合宿一日目スタート。上司の案内で会社関連の施設見学へ。

建築は奥が深い。たとえば、フランス人が京都の街並みに感銘を受けて、日本風の寺院を本国に造ったとして、1200年の歴史を持つ京都の「趣」まで表現できるだろうか。それと同じで、私たちが欧風の「なんだかわからんけどハイカラ!」という雰囲気に感動して材質やら様式やらを輸入しても、「趣」まではくっついてこないのでは? 「瓦屋根は和風だ。」とか「畳があれば和風だ。」という発想をひとつの点とするなら、点と点を最短で結んだところに「趣」は無いような。ひとつひとつの点は結ばれていなくても、離れて見ればなんとなく秩序が見いだせる、たとえるなら土星の輪のような、そういう「厳密な計算に基づくようで実は偶然の産物」が「趣」の正体ではないかな、などと考えながらメモをとる。

さらに。

自分がどのような業界に向いているのか、今より真剣に(ときに深刻に)考えていた当時はわからなかったことが、今日、改めてスッと納得できた。研修そのものはそこそこ過酷だが、仮に研修自体をハードとするなら、この業界のソフト(内容)が、私は、無条件に好きだ。嬉しい、楽しい、大好き! と、自分の中の血が騒ぐ。言語化できない(血で考えた)思いが脳で言葉に変換されて、私をこの業界に導いたのかな。そして、その言語化できない思いは、こうしてリアルに対象(ソフト)に触れてみるまでわからないものかもしれない。

それはそれとして。

「返事はどうしたの!?」「ちゃんと挨拶しなさい!」などと新卒一同お尻を叩かれながら、ひょえー、アタイ学生に戻りたい、涙が出ちゃう、だって女の子だもん、と考える暇もあまり与えられないうちに、一日目終了 → カンヅメされるホテルへ。これからやっていけるのかしらん、という不安に震える胸の音を聞きながら就寝。

がんばれ、自分。

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