2006年4月8日
麗
マイ・ラヴァーとディナー@銀座。

今週も休日出勤の彼と、夕刻、銀座四丁目交差点・和光前で待ち合わせ。銀座は好きだ。空気の抜けが良いとでも言えばいいのか、ごちゃごちゃしているにも関わらず、池袋や新宿のような「淀み」が無い。「お、なんだかOLっぽいね。」というお言葉を貰った服と読みかけの小説(江國香織)を小道具にして、和光のウィンドウの前にすっくと立つ私は、一枚の絵になりそうだ(←自分で言っちゃった)。

リザーブしてもらったのは、備長炭を用いた欧州風炭火焼きとワインのお店。

コの字カウンター席の一番奥に座って、ビール → 私は白ワイン/彼は赤ワイン → 二人で赤ワイン。契約農園直送の有機無農薬野菜を使ったテリーヌ・トマトのコンポート添えや、徹底飼育管理されたらしい鴨肉の炭火焼き、お皿が大きい割に「これだけ!?」と叫びたくなるような生ハム入りミネストローネをいただく。ストライプのシャツを着てワイングラス片手に「こういう食事もいいよね。」なんて言っちゃう彼に、ほんのりロハスの匂いを感じた。と言ったらきっと怒るだろう。

樽の匂いが感じられるスパイシーな赤ワイン(2001年物)をちびちびやりつつ、「理論的とはなんぞや?」という話を。

「ロマンチックなことを言うようだけど…」という前置きの後、彼はかく語りき。月にアポロ13号が打ち上げられた頃、多くの人はテレビの前でそれを見守った。が、本当の科学者とは、テレビを離れて家を出て自分の目で月を見る人だ、と。さらにもうひとつ。彼の思う「ただ理屈っぽい人」は、天体図を見てばかりで(配置や星の名前は完璧に頭に入っていても)実際に夜空を見ようとしていない、と。ロマンチック過ぎるだろうか? 私はそうは思わない。

私が社会人になるに伴い、「いいですか、社会人はこうですから…」と語り出す人がいたが、「困ったことがあったら言いな。」とのみ言ったある人は、実際に夜空を見て「あれは何座だろう…。わからん。」と悩みながら、理論的に「A=B」と語ってそれで終わらせることを拒んでいるような。天体図に書かれた理論は正しくても、夜空は毎日変わる。状況は常に変わる。私たちは、正しい(と思える)理論を意識しつつも、常にその場の状況で理論を割ってしかるべき。私が個人的に細木数子に違和感を覚えるのは、彼女は1の事象を、自らの信じる1でしか割ってないから。答えは1。当たり前のこと。私の隣でワインを飲む人は、くるくると猫の目のように変わる事象(ときに1以下)を、仕方なく自分の信じる1で割るしかなくて、割り切れない余りの数の前でいつも立ち止まるのかな。

食後、「まだ咲いているかな。」という期待とともに市ヶ谷下車 → 外堀通りを夜桜散歩。

ぽつぽつ葉が混じるけど、まだ綺麗だ。「この前ね、ウマイこと言うなあ、と思った広告があったの。」「どんな広告?」「日本人はお正月より桜の咲く頃に一年を感じる、って。」「あ、それ、俺も見た!なるほど、って思った。」「一年経ったんだねえ。」「なあ。」「去年、桜を見てたときは就職活動中だったよ。」「そうだよね。」「すっごく昔に思えるよ。」と話しつつ、外堀通りに架かる橋を渡る。このあたりは一口坂と言うそうな。

帰宅後。

異動に伴い取引先から花を貰ったらしいマイ・ラヴァー。(私の見る限り)過去最高レベルの散らかりに達した部屋の中に、貰ったままの状態で置かれたブーケ。「花瓶にはまだ生けてないけど、毎日ちゃんと水をかけてるよ。」「コイツが来てから、この部屋に生き物が自分とコイツで、ああ、二人なんだ、って思えるよ。」「なっ、花子。」と花に話しかける彼と協力して、"花子"のための花瓶(爽健美茶のペットボトル使用)を作成。

A flower is beautiful.

A man who talks with flowers is beautiful.

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索