リスタート

2006年5月1日
配属初日。

「本日付で、なんちゃらかんちゃらうんたらかんたら○○部に配属になりましたりんと申します。」とご挨拶したいのはやまやまだが、何しろ自分の部署名がやたら長ったらしい上に舌を噛みそうで困難を窮める。何はともあれ、あっちでペコリ。こっちでペコリ。そして舌を噛む。

自己紹介を終え、さて、お茶でも。

もちろんそんなはずはなく、先輩指導の下、早速外回りへ(いきなり外かい!)。初夏の陽気の中、ジャケットの下にびっしょり汗をかく。それに加え、ポケットに入れる羽目になった(←情けなや…)簡易名刺をシュパシュパとさばきながらの挨拶回りは、暑さのせいじゃない汗をかく。あ、どーも。あ、どーも。

さらに、私のこれから覚える仕事は、取引先をぐるぐると回りながら運ぶべき物が妙に重い。「重いでしょ?大丈夫?」「私、力に関しては申し分ありません!」「よし!」と、サークル活動で得た能力がまさかこんなところで役立つことになろうとは。

先輩と一緒にタクシーで移動。

「今後、ひとりでタクシーに乗るときは道を案内できるようにね。」「えっ!?」「そこが○○通りで、ここを一本入って…」「えっ、えっ!?」「都内には詳しくならなきゃね。」「は、は、はいっ!」「帰りはたぶん車だけど、電車で行った方が早いか車で行った方が早いかとか、色々考えられるようにならなきゃね。」「…はいっ(ひー)!」と、頭の中にコンパスが無いことで有名な女は、仕事中に激しく動揺。都内をタクシーでぶっ飛ばす日がまさかこの私に来ようとは(←まったく蚊帳の外だと思ってたらしい)。戯れで買ったはずの地図が、私の鞄の中で今後光り輝く。

先週まで一緒に電話応対の研修を受けていたはずの同期が、私のすぐそばにいるのに遙か遠くに感じられるデスクの上で電話を受ける。

私がまさか外勤OLになるとは予想してなかったように、彼女もまた本社勤務になるとは思ってなかったはず。「こんな部署がありますよ〜。」「そうですか〜。」と知ってはいたけど、いざ配属された私たちは、まさに今日から始まる日々を具体的にイメージして就職活動をしただろうか。

未来を100%想像するなんて不可能だ。それにしても、強い想像力を兼ね備えた人だけが可能性の多岐に渡って夢想するからこそ叶う「願い」は、私の場合、仕事の方面に向けられていたのかな。まさに今日から始まるこの日々のために、私たちは就職活動をした。まさに今日から始まるこの日々のために、私たちは自己分析をした。そして、まさにすべてが始まる今日になっても、私は自分が何に向いているのかわからない。それでも、今日、私とは違う部署で電話を受け続ける涙もろい彼女は、研修中より頼もしく見えた。早速飛び回るこの私は、彼女の目にどう映っただろう。

さあ、始動。

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