年輪夢想
2006年5月17日「○○さんは女のコだからあっちを手伝って。あ、りんさんはこっち!」と、肉体労働をさせられる水曜日(何かがおかしい)。
肉体労働が多い我が社。「頭がクラクラする…。」と弱音を吐くNくん(同期)を、「男のくせに甘えてんじゃねー!」と叱咤 → オラオラオラオラと西へ東へ。狭い通用口で引っかかった私が「あっ、あっ、いやっ、痛っ…!」と呻いたら、「卑猥な声出さないでください!気が散ります!」と叱られる。アンタが挟んだんでしょーが!!
すっかりコンビと化したNくんと一本の傘で帰宅(何かがおかしい)。
仕事しながら考えたこと。
Nくんも私も新入社員。何もできない。何もわからない。直属の上司にベタ付きで、入れても入れてもいっぱいにならない井戸に水を汲むように知識を得る。今日も明日も明後日も。直属の上司、さらに上の上司、そして社長、彼(彼女)らは何でも知ってるようで私たちには眩しい(そして、ちょっとコワイ)。
数ヶ月ぶりに日記を読み返した先週末。
その後の自分の身に起こることを知らない無邪気な自分がいた。個人的に節目と思われる2005年を経て、当時の自分が夢想していた場所(オン・オフ問わず)にまさに立っているのが、今の自分。「よーいどん!」で走るのが得意で、がんばるぞーと決めたら目標まで一直線。目標は遠く果てしない。至らない自分ばかりが目につき、早くたどり着きたくて仕方ない。私は"苦しんで"いた。苦しんだ証拠が一年分。
思うに任せないことばかりなのは、今も同じ。私は"苦しんで"るの? わからない。何を得たいの? わからない。全速力で走りまくる今はたしかに辛い。全速力で走らなくていい日が待ち遠しい。それはたしかにそう。それはたしかにそうなんだけど、あたふたと走り回る私たちの横でどかっと構える上司が羨ましくもあり羨ましくない。
夢見る少女だった頃(今も?)、彼氏ができたらどんな感じだろう、あんなことするのかな、こんなことするのかな、いやーはずかしい、でもきっと素敵よね、きっと幸せよね、ああ早く大人になりたい、と思って願った。今は素敵だ、幸せだ。とはいえ、私は何かを失った。お化粧をして、マニキュアをして、香水をつけて、パンプスを履いて、お酒を飲んで、親友ができて、尊敬できる恋人ができて、社会的身分さえ得た。ここがゴールか、当時の自分よ。
無我夢中で仕事を覚え、いつの日か順応し、(きっと)ひとりで色々なことでできるようになる。(きっと)やり甲斐もできる。(きっと)楽しくなる。が、今は想像しかできない未来に「さて。」と立つ頃、私はもう取り返しがつかない年齢を迎えているに違いない。いったい何を取り返したくなるかは謎だけど。
一日、一日、ゆっくりと、だが着実に、私は年をとる。
肉体労働が多い我が社。「頭がクラクラする…。」と弱音を吐くNくん(同期)を、「男のくせに甘えてんじゃねー!」と叱咤 → オラオラオラオラと西へ東へ。狭い通用口で引っかかった私が「あっ、あっ、いやっ、痛っ…!」と呻いたら、「卑猥な声出さないでください!気が散ります!」と叱られる。アンタが挟んだんでしょーが!!
すっかりコンビと化したNくんと一本の傘で帰宅(何かがおかしい)。
仕事しながら考えたこと。
Nくんも私も新入社員。何もできない。何もわからない。直属の上司にベタ付きで、入れても入れてもいっぱいにならない井戸に水を汲むように知識を得る。今日も明日も明後日も。直属の上司、さらに上の上司、そして社長、彼(彼女)らは何でも知ってるようで私たちには眩しい(そして、ちょっとコワイ)。
数ヶ月ぶりに日記を読み返した先週末。
その後の自分の身に起こることを知らない無邪気な自分がいた。個人的に節目と思われる2005年を経て、当時の自分が夢想していた場所(オン・オフ問わず)にまさに立っているのが、今の自分。「よーいどん!」で走るのが得意で、がんばるぞーと決めたら目標まで一直線。目標は遠く果てしない。至らない自分ばかりが目につき、早くたどり着きたくて仕方ない。私は"苦しんで"いた。苦しんだ証拠が一年分。
思うに任せないことばかりなのは、今も同じ。私は"苦しんで"るの? わからない。何を得たいの? わからない。全速力で走りまくる今はたしかに辛い。全速力で走らなくていい日が待ち遠しい。それはたしかにそう。それはたしかにそうなんだけど、あたふたと走り回る私たちの横でどかっと構える上司が羨ましくもあり羨ましくない。
夢見る少女だった頃(今も?)、彼氏ができたらどんな感じだろう、あんなことするのかな、こんなことするのかな、いやーはずかしい、でもきっと素敵よね、きっと幸せよね、ああ早く大人になりたい、と思って願った。今は素敵だ、幸せだ。とはいえ、私は何かを失った。お化粧をして、マニキュアをして、香水をつけて、パンプスを履いて、お酒を飲んで、親友ができて、尊敬できる恋人ができて、社会的身分さえ得た。ここがゴールか、当時の自分よ。
無我夢中で仕事を覚え、いつの日か順応し、(きっと)ひとりで色々なことでできるようになる。(きっと)やり甲斐もできる。(きっと)楽しくなる。が、今は想像しかできない未来に「さて。」と立つ頃、私はもう取り返しがつかない年齢を迎えているに違いない。いったい何を取り返したくなるかは謎だけど。
一日、一日、ゆっくりと、だが着実に、私は年をとる。
コメント