すきらいすき

2006年6月22日
すきらいすき
(注:画像はイメージです。)

ベアトップがずり落ちてブラジャーを晒した木曜日。

採用活動中につき、学生と電話でやり取りを。この時期まで粘ってるせいか、皆、妙に暗い。「もしもし。ワタクシ、○○社のりんと申します。こんにちは。」「あっ…ハア…。」という返答に、挨拶くらいしようよ、と思うもすぐに気を取り直し、にこやかに対応。「○○様の所属をお聞かせ願えますか?」「…。」「もしもし?」「…あっ、所属って…?」「学校名でございます。」「…なんだ。○○大学です。」というなっとらん対応に青筋が立つ(←嫌な大人になってきたな、私も)。

残業後、事務所のツートップと飲みに行く。

憧れの部長と(先日私を泣かせた)課長。ああ私は囚われの宇宙人。「ビールでいいよね?」「いいです。」「りんさん、飲めるんだもんね。」「飲めます。」「ゴハン、嫌いなものとかある?」「ないです。」「いっぱい食べな。」「食べます。」と水飲みラッキーバード(←古い?)の如く頷くばかり。肝臓、謝々。胃袋、謝々。

どうして彼女らは私を誘ったのだろう、と考える。

ON/OFFはすっかり渾然一体となり、何が辛いのかわからない。それでも私は鞭打つように自分を奮い立たせ、どうしようもない事態にも自分なりの打開策を見つけてた、つもりだったのに。ああ、ここ(会社)でも言われるか。あなたの肩には力が入ってる、と。ああ、ここでも言われるか。肩の力さえ抜ければあなたはもっと素敵になるのに、と。

いつものように叱られていつものように帰った日、私は泣いた。こっそり泣いた。それでも彼女(課長)はわかってた。肩に力が入った私、妙な責任感ばかり先立つ私、自分の信じる理論にしがみつく私、それにそぐわないものを嫌う私、すべて彼女はわかってた。部長は言う。「あなたは強いけど、強さの中の優しさは塗りつぶされちゃうから。だから優しくなりなさい。優しさの中に強さを持たなくちゃ。今のあなたは順序が逆。」と。

正しい理論(たしかにまあまあ正しいらしい)を振りかざし、それでも自分ではバランスを取ろうと、「正しい理論を正しいと叫ぶのはあまり良くない。」と理解したつもり。が、そう理解した私は「正しい理論を正しいと叫ぶ人」を逆に許容できなくなった。傲慢になってはいけないという正しい理論を信奉するがゆえに、傲慢な人を許すことができず、そんな自分が実は傲慢だった。

煙草をくゆらせる課長を見る。

本物を見たことない人が本物を鑑定できないように、今はまだ素敵じゃない私が素敵な人を見つけられるの? 私が素敵じゃないと(勝手に)判断した上司が、私の知らない何かを見ているのなら、視野が狭い私は安易に人を判断するべきじゃない。彼女は素敵? 素敵じゃない? わからない。わからないままでいい。断定は「強さ」で、保留は「弱さ」。そうじゃない。保留は「優しさ」。少しは保留を覚えよう。

私を諭す二名を見る。

彼女らが私を諭すのは、単に"使える部下"になってほしいというより、間違いなく一度走ってきたはずの道があるからか。就職活動を終えた私が理由もなく学生を応援したくなるように。私は思った。きっとこの会社に入ってよかった、と。

すき、きらい、すき、きらい、すき

恋でも、仕事でも。

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