給料を引き出して帰宅する金曜日。
初任給のほとんどは各方面への返済で消えたので、実質、初の給料日。ATMの前でパアァッ…と幸福に酔いしれる。とはいえ、大事に使わねば。色々考えたが、封筒(←会社から失敬したもの)に数枚を差し込んでみる。これは母上に。ついに母上に。
半蔵門線車内にて。
某駅で乗り込んできたカップルに心奪われる。どうやら難しい話をしてるらしい。言葉を探して眉間に皺を寄せる彼。彼の話を真剣に聞く彼女。思いを正確に言語化しようと奮闘する彼を見つめる彼女の気持ちになる。ああこのコ聞いてないな、と私は気付く。恋心を無防備に晒した彼女は、穴が開くほど彼を見つめてた。
そんなステキップルを見送った後、JRで乗り合わせたバカップル(電車内でチュー)に「わああああああああ!!!!!」と石を投げたくなる。
(※最近のりんは取り扱い注意。)
石は投げなかったけど、初任給で酒(サントリーの角瓶)を買う。
母に「どうだあッ!!」と給料を叩きつけ(てはいません。そっと渡したけど)、親子で晩酌を。「最近どうね?」「ぼちぼちだっぺよ。」「はぁ、いい風(ふう)かね?」「はぁ、いい風だ。」と詮無き喋りの中、角瓶をロックにて。「お父さんね、今晩大阪から帰ってくるって。」「こんな遅くに?」「今日中に帰ってきてって言ったの。」「なんで?」「早く会いたいから!」と語るマイ・マザー。少女みたい。
給料、酒、etc…。大人を示すアイテムが増えてきた。変わらないのはこの家と母。美人と言えなくもない我が母と、なぜかさえないマイ・ファザー。お父さんのどこが好きなのさ、と問えばためらいなく「全部!」と答える母は、今年、50になる。我が家の隆盛期、出勤前の父にいってらっしゃいのチューをする母の隣で、おとうさんわたしもわたしも、とせがんで親子揃って(ほっぺに)キスをした。
気付けばあれから20年。
物知りの父に教わった多くの知識を武器に、私は働く。彼の教育は、今、生かされる。経過はそこそこ順調だ。今はあまり会えない父に「ありがとう」と言うのは簡単だけど、毎日のように顔を合わせる母に言うのは照れくさい。それでも言いたいことがある。出会った頃の父の写真を居間に飾っちゃう母、今日はお父さんが帰ってくるとはしゃぐ母、当時は恋心を詩に綴ってた母(←血は争えんな…)。情熱的な母に教わった「人を愛する心」を武器に、私は恋をする。彼女の教育は、今後、生かされる。
「お父さんの部屋のシーツ替えなくちゃ。」「また別々に寝るの?」「そうよ。」「ラブラブなんだから一緒に寝なよ。」「あんなイビキ男と一緒じゃ寝られやしない。」「結婚する前は狭い布団で一緒に寝てたんでしょ?」「寝てたね。」「楽しかった?」「楽しかった。」「それがこんなことになるんだね…。」「ひひひ。アンタも最初だけよ。」と恐ろしいことを言う母とともに父を出迎える。
父がくれたもの 知識、歌、理論
母がくれたもの 愛、詩、感情
初任給のほとんどは各方面への返済で消えたので、実質、初の給料日。ATMの前でパアァッ…と幸福に酔いしれる。とはいえ、大事に使わねば。色々考えたが、封筒(←会社から失敬したもの)に数枚を差し込んでみる。これは母上に。ついに母上に。
半蔵門線車内にて。
某駅で乗り込んできたカップルに心奪われる。どうやら難しい話をしてるらしい。言葉を探して眉間に皺を寄せる彼。彼の話を真剣に聞く彼女。思いを正確に言語化しようと奮闘する彼を見つめる彼女の気持ちになる。ああこのコ聞いてないな、と私は気付く。恋心を無防備に晒した彼女は、穴が開くほど彼を見つめてた。
そんなステキップルを見送った後、JRで乗り合わせたバカップル(電車内でチュー)に「わああああああああ!!!!!」と石を投げたくなる。
(※最近のりんは取り扱い注意。)
石は投げなかったけど、初任給で酒(サントリーの角瓶)を買う。
母に「どうだあッ!!」と給料を叩きつけ(てはいません。そっと渡したけど)、親子で晩酌を。「最近どうね?」「ぼちぼちだっぺよ。」「はぁ、いい風(ふう)かね?」「はぁ、いい風だ。」と詮無き喋りの中、角瓶をロックにて。「お父さんね、今晩大阪から帰ってくるって。」「こんな遅くに?」「今日中に帰ってきてって言ったの。」「なんで?」「早く会いたいから!」と語るマイ・マザー。少女みたい。
給料、酒、etc…。大人を示すアイテムが増えてきた。変わらないのはこの家と母。美人と言えなくもない我が母と、なぜかさえないマイ・ファザー。お父さんのどこが好きなのさ、と問えばためらいなく「全部!」と答える母は、今年、50になる。我が家の隆盛期、出勤前の父にいってらっしゃいのチューをする母の隣で、おとうさんわたしもわたしも、とせがんで親子揃って(ほっぺに)キスをした。
気付けばあれから20年。
物知りの父に教わった多くの知識を武器に、私は働く。彼の教育は、今、生かされる。経過はそこそこ順調だ。今はあまり会えない父に「ありがとう」と言うのは簡単だけど、毎日のように顔を合わせる母に言うのは照れくさい。それでも言いたいことがある。出会った頃の父の写真を居間に飾っちゃう母、今日はお父さんが帰ってくるとはしゃぐ母、当時は恋心を詩に綴ってた母(←血は争えんな…)。情熱的な母に教わった「人を愛する心」を武器に、私は恋をする。彼女の教育は、今後、生かされる。
「お父さんの部屋のシーツ替えなくちゃ。」「また別々に寝るの?」「そうよ。」「ラブラブなんだから一緒に寝なよ。」「あんなイビキ男と一緒じゃ寝られやしない。」「結婚する前は狭い布団で一緒に寝てたんでしょ?」「寝てたね。」「楽しかった?」「楽しかった。」「それがこんなことになるんだね…。」「ひひひ。アンタも最初だけよ。」と恐ろしいことを言う母とともに父を出迎える。
父がくれたもの 知識、歌、理論
母がくれたもの 愛、詩、感情
コメント
石投げていいよ
よっぽど投げようかと思ったんですけど、ふと考えたんです。自分が石投げられたらどうしよ、って。いや、私は電車ではチューしませんけど。
今度一緒に石を投げませんか?