大学時代の友人Mと飲む@渋谷。

本日はほぼ定時上がり。すれ違う誰もが振り返るほどに美しいM嬢を連れ、渋谷の外れのワインバーへ。虎の威をかる狐ではないが、年上の恋人や友人に連れられて行ったお店へさも詳しいかのごとく友人を案内するのがマイ・ブーム。厳選されたシャンパンで乾杯→私は南仏の赤(スパイシー)を。

会うのは半年振りのM嬢。何から話していいのかわからない。

出会ったのは四年前。大学の体育館。サークル内でも1・2を争う"だめんずうぉ〜か〜"だったMは、7年越しの想いをついに断ち切り「ザ・キング・オブ・ダメ男」と(私が勝手に)称す男と絶縁した。Mと頂点を争っていた"だめんずうぉ〜か〜"の私は彼女を戦友と仰ぎ、「いったいどこが好きなのさ!?」「アンタこそどこが好きなのさ!?」「顔か!?」「顔だ!」「はっはっは!」「はっはっは(泣)!」と励まし合う日々を送った。もう同じユニフォームを着ることもない。

「で、Mの今度のお相手は?」「今度は飲み会じゃないよ。会社の同期。」「おお、今回はまともそうな気配がするぞ!」「それがそうでもなくて…。」「と、いうと?」「メールの送受信履歴がいつ見ても空なの。」「うーん、香ばしい匂いがしますねー。」と、不健康な近況報告を受けた後も会話は続き、舌平目のサラダ仕立て、濃厚な仏産チーズで焼いたパングラタンなど、上品で芳しい料理と相性がすこぶる悪い生臭い話を。

終電で帰途につく。

やや酔っぱらった私は某駅で考える。今この電車を降りたら、と。某氏が帰るはずのマンションのエントランスにぺたんと座り込み、朝まで待っていられたら。どんどん遠ざかる某駅の流線型ホームを見送った私は、大学当時(Mともっとも盛り上がってた頃)の私と、一瞬、重なった。どちらが本当の私だろう。

無性にメールしたい。ひねり出した美辞麗句にあるだけの「すき」を詰め込んで。とはいえ、(今の)私は考える。「すき」を覚えたものの、ひとつしか表現方法を知らなかったからこそ私は叫ぶしかなくて。それゆえに周りを騒がせて。「りんの彼氏は超イイ男!」とさえ言われるようになった"元・だめんずうぉ〜か〜"の私は、彼のためか、周りのためか、果たすべき義務がある気がしてて。それは電車を降りることでもないし、メールを打つことでもない。

「私は貴方がすきです。」と言いたいところを、一歩、立ち止まって。「彼女は彼が好きらしい。」と、自分のことでも客観的に表現できる能力を。その余裕があれば、大学時代とは違う表現ができるだろう。作者自身の思いなのにまるで他人の話のごとく聞こえる小説・歌・詩が今日も私を感動させるように、私に余裕が生まれたら、きっと今まで以上に誰かを幸せにできる。その「誰か」にMは含まれる。Mよ、今夜をありがとぅー。

無事に地元に降り立った私は、唐突に久保田利伸など聴く。



I LOVE YOU 僕だけの君ならば
この道をかけだして 逢いに行きたい 今すぐに

I MISS YOU 許されることならば
抱きしめていたいのさ 光の午後も星の夜もBaby

(久保田利伸・「Missing」より。)



…なーんて、客観的にしてみたり。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索