My life will be

2006年7月19日
やや活動的な水曜日。

「梅雨が長引いてるのはアナタのせいよ」などと身に覚えのない罪に問われ、朝から気分サイアク(私が何をした?)。こういう日は美容院に行くべきだ。というわけで原宿へ。いつもの美容師さんの有り難い説法を聞いたり、若いアシスタントさんと等身大で愚痴を言い合ったり、そうこうしているうちに髪型完成。また来ます。

自分へのご褒美にとフットマッサージを受けて帰宅。

久々にTVを観る。TBSの『ドリーム・プレス社』は故・逸見政孝の特集を組んでおり、ローストビーフとマカロニサラダを交互に口に運びながら、見るともなしに見た。TBSを辞めてフリーに転向した逸見さん。一生アナウンサーでいたいという志半ばで癌告知を受けた逸見さん。当時の記録と家族の証言をもとに再現したVTRの最中、ちょくちょく登場したのが逸見さんの手記。

「テレビ界の偉人」と銘打ってるだけあり、再現された逸見さんはまさに"偉人"。「随分美化されてるね。」という私の投げかけと、「死ぬとみんないい人になるのよ。」という母の答え。生前の逸見氏が実際はどのような人だったか、私は知らない。本当に素晴らしい人だったかもしれないし、もっと人間くさい人だったかもしれない。

その後、なぜか、昔録り溜めした月9ドラマ『ラスト・クリスマス』を観る(←実は織田裕二の隠れ大ファン)。

さすがお約束のロマンチック・ラブコメディは、わかりやすい。脚本・演出ともに体に染みこみやすいので、容易に浸ることができる。これは女の子の理想よね、と誰もが納得できる主人公・春木健次(織田裕二)。女の私でも守ってあげたくなっちゃうヒロイン・青井由季(矢田亜希子)。ドラマのような恋がしたい、と本気で思ってた。…と過去形で書いていいものか。

自分をドラマのヒロインのごとく(心の中で)仕立てるのは私の必殺技だけど、現実の私はといえば、さして大した事件もないまま飄々と生きるだけ。ドラマ化できるかといえば、そうでもない。盛り上がりに欠けるだけだろう。そんな私の人生だけど、たとえば私が死んだ後、母の「死ぬとみんないい人になるのよ。」という言葉通り私さえも美化されて、誰かに見せられる再現VTRになるのかな、と。

そうは思えないけど、TVを消してPCを起ち上げ、一年半もダラダラと書き続けた日記と対峙する。どこにでもいる女子大生だった私は、「周りがするから」という理由で就職活動を始め、その記録用にと流行のブログを書くようになり、その後も当たり障りない生活を送り続け、卒業し、就職し、今に至る。抽象化するとたしかに当たり障りない私の一年半だけど、具体的な部分では私にしかわからないドラマティックな展開もあり、これはこれでひとつの「ストーリー」になりつつある。もちろん脚本はないし、あくまで結果としての「ストーリー」。

逸見氏が手記というかたちで自らの人生を記録していた当時、自分の生き様がまさか壮大なドラマになるとは思ってなかっただろう(たぶん)。起承転結やドラマとしての盛り上がりを意図せずに淡々と綴っていた手記は、彼がこの世を去った後も残る。生前の彼が自らの口で語った自生や、実際の彼を知る妻らの証言、それらも故人を再生するには有効な材料になるだろうが、もっと強いのは、やはり「文字」。意図せずに何かを記録し続けるには少々の勇気が要るけれど、振り返れば、勝手にストーリーと化した「文字」がある。意図しなかったからこそ取捨選択されないままだった生々しい記録は、本人の知らぬところで運命という幻想の力で推敲され、後に美しいドラマになる。

作家や脚本家になりたいという大それた欲求も今はないけど、ドラマのような生涯にしたいと願っていた私は、"意図しないまま"いつしかストーリーを書いている。だから、今後も、録画して何度も観たくなる月9のように、死ぬ間際にひとりで感動できさえすればいい程度のささやかなドラマを紡ぎ続けよう、かなあ(上目遣い)。

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