専務と挨拶回り。

異動前から同じフロアにいたけど、こうして二人きりになるのは初めてだ。重い鞄を持っているのに渋谷の人混みをすいすい抜けていく専務を追いかける。「いろいろな方を見てきましたけど、仕事ができる人は歩くのも速い傾向がありますね。覚えておくといいですよ。」とのこと。歩きやすい靴を買おう。

小田急線車内にて。

私をずっと見ていたらしい専務いわく、私は内弁慶タイプだと。愛想よく振る舞い屈託なく笑うけど、本当は人と話したくないでしょ、と。本当は家でむずかしいこと考えてるでしょ、と。そして、揺るがないものを既に心に秘めてるでしょ、実は誰よりあなたは冷静だ、と。地下鉄より慣性の力が緩い気がする小田急線、専務の声とともに私を控えめに揺らしてた。

スモーカーの専務に駅地下でアイスコーヒーをご馳走になった後は、禁煙席に移動して早速むずかしいことを考える(笑)。

渋谷駅地下の喫茶室(セルフサービス)は穴場で、客のほとんどが休憩中のサラリーマン。専務とともにご挨拶した取引先は、「先生」と呼ばれる人の集まるところだった。法律、教育、医療、それらから離れた場所で就職活動をした私がここで酸味の強いホットコーヒーを飲むように、隣りで皿を空っぽにしたおじさんも今まで地道に働いてきたのかな、と。野菜ばかりよけて食べてた今日の「先生」を思い出す。

ひろくておおきい渋谷の駅地下にぎゅっと集まった「労働者」の中で、私も見事に馴染んでる。でも地上に出れば、やっぱりひろくておおきいよな、と。せまい喫茶室のすみっこでひそやかにアイスコーヒーを飲んだわけだが、喫茶室のあっちからこっちへ移動して今度はホットを飲む私。そういえば私は、接客をしたり、電卓を叩いたり、外回りをしたり、キャッチコピーを書いたり、校正をしたり、市場調査をしたり、マーケティング論を学ばせられたり、お茶を出したり。

禁煙と喫煙が曖昧な喫茶室のように境目のない場所に、家に帰ればゆく私。上司(専務ではない)から「就職活動中に○○業界を回ってたの?」「○○業界も回ってたでしょ?」「○○関係の本も好きでしょ?」と聞かれるたびに、正解もあれば不正解もあるな、と。私のバックにあるモヤモヤしたものの気配を感じているらしい上司たちも、なにもまったく根拠がない上でそんなことを言うはずもなく。私のバックのモヤモヤが原因で配属を決めかねているとまでは思えないけど、「うっふん」と(心の中で)笑いながら空っぽになるまでコーヒーを飲んだ。

コメント

nophoto
サイヤ人
2006年9月7日8:24

「仕事ができる人は歩くのも速い傾向がある」
へーそうなんですかー
良いこと言うなぁー専務。今度紹介して下さい。
めちゃめちゃ速いですよ、歩くの。
10秒位/100m
仕事出来ないけど・・・

りん
りん
2006年9月8日1:29

>サイヤ人さま
そうなんですよ、「は、はいっ!」って思わず言っちゃうようなご神託を吐かれる方なんです。ただ、かなりサディスティックな気配をすでに感じてるので、もしそうならサイヤパパと気が合うかもしれませんね(笑)。

仕事出来ないなんて、またまたぁー!

それより…
ご家庭が大変みたいですね。パパでしたらご本人の支えになってあげられるのでは、と個人的には思っています。

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