新規事業部にて、新たに興す事業の業務フロー作成を依頼される。

まずは企画を出せ、と。企画はひとりでできること。企画ができたら打ち合わせ。ここからはマンパワーが入ってくるのでスケジューリングが発生する、と。打ち合わせが終わったら次は人員計画の概念が必要になる、と。ここまでできたら稼働可能。が、いざ始めると机上論が現実化するのでなにが不要だったかわかってくる、と。ここで「リストラ」が発生するんです、「リストラ」とは必ずしも人に対して適用される言葉ではないのですよりんさん、という専務の話をふむふむと聞く。

話は続く。

以上の一連の流れ(循環)は「企業の新陳代謝」といえる。なんとこれは自然のロジックと同じである、と。この流れがきちんとできているかどうかチェックするために年に一回時間をとめて会社をみる、これをなんというか知っていますかりんさん、決算ですか、その通り、「決算」とは新陳代謝をチェックすること、つまり、会社の健康診断なんですね、と。健康診断によって「儲け」がわかります、最終的にすべての部門損益がここ(「儲け」)にたどり着くわけです、と。

キーワードは、「現金」「在庫」「人員」である、と。循環がうまくいかないとき、それは「現金」に誤差が出たり、「在庫」の数が合わなかったり、「人材」が思うように動かないとき。日常の不可抗力で発生するこれら諸問題に対応するためには「ルール」が必要である、と。まずは営業のこと、経理のこと、庶務のこと、それらを頭に入れなさい、これらが頭に入ると「ルール」がわかってきます、「ルール」とは最大公約数のことですからね、と。

すっかり頭が沸騰したので、オフィスを出てアイスを食べる。

なんだかエライことになってきたなあ、と。某ターミナル駅周辺はやや整備されて、空がやけに高く見えた。大学を受験するときも(ちなみに私は文学部出身だ)、そして就職活動をするときも(最初は出版業界を攻めていた)、私は井戸の中から限定された空を見てたのかな。実体のないものを動かす気になれなかった(証券や生保・損保は受けなかった)からこそ、私はメーカーを志望したし、また、目に見えるサービスを提供したかったんだな、と。"モノ作りとモノ売り"がしたかった。

"モノ作りとモノ売り"のほんの一部分、つまりひとりでできる「企画」の部分だけを、まるで切り取られた空のように見てたのかな、と。某ターミナル駅の空は、区切られた街や敷かれた線路を無視して、遙か、遙か、ずーっと遠くまで広がっている。山を越えて。海さえ越えて。

終業後、今月から新たに一緒になった同期・Mくん(関西から上京)とトーク@帰り道。

速水もこみちを善人っぽくアレンジしたような今どきのイケメン・Mくんに、これこれこんなわけなのだよ、という話をしたところ、「俺は、あさってから東京ねっていきなり言われてこっち来たんだぜ…」という拉致めいた話を聞かされ、そうか私の状況の方がまだマシだな、と笑う(←ヒドイ)。なんしか、お互い、ブランニュー・プレイス。

コメント

砂姫
砂姫
2006年9月8日16:31

お久しぶりです。お元気でしょうか。…てか覚えてらっしゃいますか(^^;。
専務様、格好いいですねえ。りんさんの日記に登場するエピソードだけみても、会社の上のほうで働いている人として、信頼できそうな雰囲気を感じます。
あと、人間観察が出来る人なんだな〜と感じました。
多分なんですけど、専務様って秘書となる誰に対しても、会社のこととか仕事のこととか、その意味やポジションなんかを説明したりは、しない人なんじゃないかしら。
でも、りんさんのお人柄を推測して、「(りんさんには)行動の意味づけを説明してから仕事を依頼したほうが(りんさんが)動きやすいのだろう」と判断して、必要な情報を与えているような、そんな印象をうけました。
勝手な推測ですみません。でも、いい上司なんだろうなと思わず言いたくて書いてしまいました(^^;。

お仕事、いろいろ大変なこともあるかと思いますが、今ぐらいの時期ってホントにインプットの期間として大事だと思います。頑張ってください(^^)。

りん
りん
2006年9月10日14:29

>砂姫さま
コメントありがとうございます!砂姫さんこそ、読んでくださってたんですね。嬉しいです。忘れてなんかいませんよ!

そうですね、私も人を見る目があるのかないのか怪しいところではあるんですが、この専務はなにかしらデキたお人なのではないかという気がしています。信じてついていって失敗することも今までの人生ではよくあったんですけど、砂姫さんのおっしゃる「インプットの期間」にこのような方の下で働けることは現時点で光栄に思ってるんです。

なるほど、砂姫さんの推測は、言われてみてはじめて納得、という気が。たしかに私はそういう人かも(笑)。

わたしが就職活動をしていた頃から、頻度も変わらずにずっと穏やかで充実している日記を書き続けている砂姫さんは、おなじ勤め人として「いいなあ」と思っています。

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