浸潤
2006年9月17日
午後三時に待ち合わせて向島へ。
大阪から越してきたばかりのOさん、その彼女・Sさん、私、マイ・ラヴァー、というメンバーで下町散策。「散歩の達人」を小脇に、年代物のカメラ(デジタルではない)を首から提げ、上下ともにデニム生地という、これぞ"散歩の達人"的スタイルで登場したOさんにいたく感動する。兄さん、さすがです(涙)。
しとしとと降り出した雨もなんのその、コンビニで傘を購入する。
Oさんの家からすこし歩くと、そこは隅田川。いきなり開けた瑞々しい光景に笑みが隠せない。曇天から霧のような雨が川に降り注ぐ。川周りには高い建物もない。水の匂い。四つの傘。不動産業界ではあっちが"川向こう"と呼ばれてるらしい、たしかに土地の値段ぜんぜん違いますよね、と話し続けるOさんとマイ・ラヴァー。ちらと横を見るとSさんと目が合った。おなじことかんがえてました?とシンパシー。ふたり並んで話に花を咲かせる互いの彼氏をうしろから眺め、わたしたちはいつも「ふふ」と微笑む。
複雑に入り組んだ界隈を抜け、向島百花園へ。
江戸の町人文化が花開いた文化・文政期(1804年〜1830年)に造られた庭園は、雨に濡れてしっとりと佇む。季節の七草、ヘチマ、ひょうたん、芙蓉、萩、曼珠沙華。突然強くなった雨を避け、しつらえられたテント下へ。以降の向島散策ルートを頭捻って考えるOさんと、Oさんの広げた"墨田区マップ"を見るなり「Oさん、イイ地図っすね!」と感嘆する地図ファンのマイ・ラヴァー。言葉少なに目と髪を湿らせるSさん。パタパタと屋根を叩く雨垂れの音。曼珠沙華は別名・彼岸花。今が旬。
三圍(みめぐり)神社にて「みめぐりのコンコンさん」を見たり、神社の飼い犬とじゃれたり、三連休中に墨田区のあちこちで開かれるお祭りの御輿を見たり、路地を縦横無尽に走り抜ける子どもらと何度も遭遇する中で、私は昔にかえる。そろそろ結婚するOさんとSさんが育む何かは、この土地の空気とともに築かれるのだ。良い気を存分に浴びて、おふたりがいつまでも健やかでありますよう。
その後、Oさん宅を会場に鍋パーティ。
続々と集まるゲストとともに豆乳鍋を囲む。宴もたけなわ、失言と暴言もご愛嬌(で済んだのだろうか)。早めに帰られたゲストを見送った後、Oさん、マイ・ラヴァー、Tさん(Oさんの古いご友人)の男性三方が酔ってねっとりと交友を温めるのをよそに、「困りましたねえ」と皿を洗うSさんと「ほんと、困りましたねえ」と皿を拭く私。困ると言いつつ針でつつけば笑みがこぼれてしまいそうな夜。皿の汚れは洗い流され、空いたボトルは足元に。どこにも捨てられないなにかだけが、今夜もまた、ひとひらずつ、わたしたちの上に積もりゆく。積もり、後に、深部まで染みこむ。
大阪から越してきたばかりのOさん、その彼女・Sさん、私、マイ・ラヴァー、というメンバーで下町散策。「散歩の達人」を小脇に、年代物のカメラ(デジタルではない)を首から提げ、上下ともにデニム生地という、これぞ"散歩の達人"的スタイルで登場したOさんにいたく感動する。兄さん、さすがです(涙)。
しとしとと降り出した雨もなんのその、コンビニで傘を購入する。
Oさんの家からすこし歩くと、そこは隅田川。いきなり開けた瑞々しい光景に笑みが隠せない。曇天から霧のような雨が川に降り注ぐ。川周りには高い建物もない。水の匂い。四つの傘。不動産業界ではあっちが"川向こう"と呼ばれてるらしい、たしかに土地の値段ぜんぜん違いますよね、と話し続けるOさんとマイ・ラヴァー。ちらと横を見るとSさんと目が合った。おなじことかんがえてました?とシンパシー。ふたり並んで話に花を咲かせる互いの彼氏をうしろから眺め、わたしたちはいつも「ふふ」と微笑む。
複雑に入り組んだ界隈を抜け、向島百花園へ。
江戸の町人文化が花開いた文化・文政期(1804年〜1830年)に造られた庭園は、雨に濡れてしっとりと佇む。季節の七草、ヘチマ、ひょうたん、芙蓉、萩、曼珠沙華。突然強くなった雨を避け、しつらえられたテント下へ。以降の向島散策ルートを頭捻って考えるOさんと、Oさんの広げた"墨田区マップ"を見るなり「Oさん、イイ地図っすね!」と感嘆する地図ファンのマイ・ラヴァー。言葉少なに目と髪を湿らせるSさん。パタパタと屋根を叩く雨垂れの音。曼珠沙華は別名・彼岸花。今が旬。
三圍(みめぐり)神社にて「みめぐりのコンコンさん」を見たり、神社の飼い犬とじゃれたり、三連休中に墨田区のあちこちで開かれるお祭りの御輿を見たり、路地を縦横無尽に走り抜ける子どもらと何度も遭遇する中で、私は昔にかえる。そろそろ結婚するOさんとSさんが育む何かは、この土地の空気とともに築かれるのだ。良い気を存分に浴びて、おふたりがいつまでも健やかでありますよう。
その後、Oさん宅を会場に鍋パーティ。
続々と集まるゲストとともに豆乳鍋を囲む。宴もたけなわ、失言と暴言もご愛嬌(で済んだのだろうか)。早めに帰られたゲストを見送った後、Oさん、マイ・ラヴァー、Tさん(Oさんの古いご友人)の男性三方が酔ってねっとりと交友を温めるのをよそに、「困りましたねえ」と皿を洗うSさんと「ほんと、困りましたねえ」と皿を拭く私。困ると言いつつ針でつつけば笑みがこぼれてしまいそうな夜。皿の汚れは洗い流され、空いたボトルは足元に。どこにも捨てられないなにかだけが、今夜もまた、ひとひらずつ、わたしたちの上に積もりゆく。積もり、後に、深部まで染みこむ。
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