ハローワールド
2006年9月25日専務倒れる。
どどどどどどうしよと慌てつつも昼ご飯を済ませたら少し落ち着いて、騒々しい街をゆく。ドアが開くとこぼれてくるパチスロの音。人工的な丘を上れば途端に視界が開けて、眼下に見えるは、永遠に"開発中"のエリア・オン・タイム。私はこの街が好きなんだろうと思う。丘を下って事務所の入ったビルへ向かう。エレベーターはいつもすぐ来る。
ちいさな事務所。フローリングの上でキイキイと鳴る古くて黒い椅子。エクセル入門(入門してる場合じゃないけど)片手にセルを結合したり、ひとりしかいない上司への伝言を承ったり。○○は終日外出中でございます(いつ来るかわからないけど)。12人用なのに5枚しか入ってないタイムカード・ホルダー。
「PRの仕事がしたい!」と鼻息荒い高校時代の友達は転職活動中。大企業に勤める彼女はなぜか販売員にされたらしい。彼女より一年遅れて就職活動をした私は、大手広告代理店、大手出版社、軒並み落っことされてここにいる。「人脈は作っておいた方がいいですよ」と語る専務は、広告代理店と雑誌社の窓口も私にするつもりらしい。私の書いたコピーが看板になった。私の企画が商品になる。
成功しやすい商材の製造ノウハウがあれば「良いモノ」はできるけど、「売れるモノ」になるとは限らない。大企業にしか「良いモノ」は作れないかと思いきや、人があっちからこっちへ動くと、それぞれの人脈が活性化し、製造ノウハウは別の「良いモノ」にかたちを変える。そして、大企業がPRする「売れるモノ」が必ずしも「良いモノ」かといえば、例外も多くあり。
製造から販売のすべてを管理する立場になろう私は、メーカー、流通会社、代理店、雑誌社、放送局、百貨店、それぞれの担当者と連絡を取り合う。事務所に帰れば、すべてのフォーマットを作成し、会計の知識も習得して、さらにヒラ社員だから備品の発注も自分で行って。ガラス貼りの自社ビルの名前が刻まれた社員証をぶら下げたかったはずなのに、気付けば私はデスクさえないこのオフィスにいて、当時の自分がやりたくて仕方なかった仕事に着手するらしい。
タイムカードを押し、事務所を出て、もう一度、日の代わりに灯が明るい丘の上へ。あの巨大な看板は代理店の社員がデザインしてると思ってた。この雑誌の文章はすべて編集者が書いてると思ってた。街はひろいなでっかいな。私の手の中にはたくさんの書類がある。
番外雑感
●「秘書」のはずなのにまったく秘されてない件に関して、関係各所に弁明を求めたい。
●人脈どうのこうのと言ってるけど、昨今の言動から察するに、専務、自分が代理店嫌いだからって私に押しつけるつもりらしい。
●日記を書くのがギリギリになってきた。
どどどどどどうしよと慌てつつも昼ご飯を済ませたら少し落ち着いて、騒々しい街をゆく。ドアが開くとこぼれてくるパチスロの音。人工的な丘を上れば途端に視界が開けて、眼下に見えるは、永遠に"開発中"のエリア・オン・タイム。私はこの街が好きなんだろうと思う。丘を下って事務所の入ったビルへ向かう。エレベーターはいつもすぐ来る。
ちいさな事務所。フローリングの上でキイキイと鳴る古くて黒い椅子。エクセル入門(入門してる場合じゃないけど)片手にセルを結合したり、ひとりしかいない上司への伝言を承ったり。○○は終日外出中でございます(いつ来るかわからないけど)。12人用なのに5枚しか入ってないタイムカード・ホルダー。
「PRの仕事がしたい!」と鼻息荒い高校時代の友達は転職活動中。大企業に勤める彼女はなぜか販売員にされたらしい。彼女より一年遅れて就職活動をした私は、大手広告代理店、大手出版社、軒並み落っことされてここにいる。「人脈は作っておいた方がいいですよ」と語る専務は、広告代理店と雑誌社の窓口も私にするつもりらしい。私の書いたコピーが看板になった。私の企画が商品になる。
成功しやすい商材の製造ノウハウがあれば「良いモノ」はできるけど、「売れるモノ」になるとは限らない。大企業にしか「良いモノ」は作れないかと思いきや、人があっちからこっちへ動くと、それぞれの人脈が活性化し、製造ノウハウは別の「良いモノ」にかたちを変える。そして、大企業がPRする「売れるモノ」が必ずしも「良いモノ」かといえば、例外も多くあり。
製造から販売のすべてを管理する立場になろう私は、メーカー、流通会社、代理店、雑誌社、放送局、百貨店、それぞれの担当者と連絡を取り合う。事務所に帰れば、すべてのフォーマットを作成し、会計の知識も習得して、さらにヒラ社員だから備品の発注も自分で行って。ガラス貼りの自社ビルの名前が刻まれた社員証をぶら下げたかったはずなのに、気付けば私はデスクさえないこのオフィスにいて、当時の自分がやりたくて仕方なかった仕事に着手するらしい。
タイムカードを押し、事務所を出て、もう一度、日の代わりに灯が明るい丘の上へ。あの巨大な看板は代理店の社員がデザインしてると思ってた。この雑誌の文章はすべて編集者が書いてると思ってた。街はひろいなでっかいな。私の手の中にはたくさんの書類がある。
番外雑感
●「秘書」のはずなのにまったく秘されてない件に関して、関係各所に弁明を求めたい。
●人脈どうのこうのと言ってるけど、昨今の言動から察するに、専務、自分が代理店嫌いだからって私に押しつけるつもりらしい。
●日記を書くのがギリギリになってきた。
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