キャラバン初日。雑誌社にてプレゼンテーション。
朝起きてすぐに驚いたのは、ニンニク臭い自分(真夜中まで飲んでた)。ブレスケアを「目安量」の3倍胃に入れ、マスクまでして出勤。代理店の方々とどーもどーもと待ち合わせ。"臭い人"と思われてないだろうかというのが、肝心のプレゼンの出来よりも懸念すべきことである。エレベーターでミーティングスペースへ。
(プレゼンの詳細は割愛。)
あちこちにディスプレイされた雑誌たち。ツルンとした表紙にライトが反射して、タイトルが疲れ目に眩しい。廊下を行き交う社員には「色」があって、明らかに私のいる会社のそれと違う。「GUEST」と印字されたプレートを返却してドアを開ければ、私を染める「色」も外の世界でくっきりと映え、彼らの目に異質なものとして映るのだろうか、と。正面玄関のドアが私の後ろで閉じた。
同行した専務と駅前でお茶を飲む。
「りんさん、雑誌社に行くと心がざわめくんでしょう?」といきなり突っ込まれ、アイスコーヒーを噴き出しそうになる。「専務もそうですか?」と問うと、「まさか。私はもともと○○屋ですからね、○○メーカーに行くとざわめきますが。」との答え。そうですかとつぶやきながらストローで氷をつつく。
「宿命」という言葉が好き。「こんなこといいな、できたらいいな」と無邪気に歌いながら夢見たことの多くは、私にピッタリだと思ってた。私にピッタリだと思ったことに節目節目で拒否されて、高校の普通科に進み、浪人し、出版社じゃない会社に入社した。拒否された瞬間はいつも顔にタテ線が入るけど、24年間を振り返るに、なぜかいつの間にかたどり着く。あまりにも意外な方法で願いが叶う。ストレートではなくフォークボールのように。
就職活動を終えて一年半、なぜ出版社に入れなかったかがわかる。メーカーの人間(今の私)、代理店、雑誌社の広告担当+編集者。三者で何かを始めるとするなら、私は同じ「雑誌」を軸にするにしても、今のポジション以外に立てないだろう。というのも、"プロの編集"の定義が仮にあるなら、それは「自分を殺すこと」かもしれないと思うから。華やかで夢あふれる「場」を提供する編集者は、読んで字のごとく人のものを集めて編むのだろう。代理店の立場にはもっとなれない。頻繁にメールをやり取りしながらも、私は彼らの仕事内容が未だに把握できていない。
専務とともにガタガタと電車で帰社。私の所属する「メーカー」へ。
とはいえりんはメーカーにいつまでもいないでしょう。…と言ったのは私ではなく、専務。と社長。「あなたはなぜここにいるんですか」と専務は言う。「あなたがいつまでもここにいるわきゃないことくらい、社長は承知ですよ。それをはじめから承知で雇ってますから」と社長の代わりに専務が言う。「もう販売職でいいもーん」と(今思えば)ヤケっぱちで決意したのに、「宿命」がそれを許さないなら、私はいつか流れ着くであろう場所に心当たりがなくもない。当時は投げられなかったストレートがボールかと思いきや意外なかたちでいつか吸い込まれるだろうその場所に、今はただ強く焦がれる。
朝起きてすぐに驚いたのは、ニンニク臭い自分(真夜中まで飲んでた)。ブレスケアを「目安量」の3倍胃に入れ、マスクまでして出勤。代理店の方々とどーもどーもと待ち合わせ。"臭い人"と思われてないだろうかというのが、肝心のプレゼンの出来よりも懸念すべきことである。エレベーターでミーティングスペースへ。
(プレゼンの詳細は割愛。)
あちこちにディスプレイされた雑誌たち。ツルンとした表紙にライトが反射して、タイトルが疲れ目に眩しい。廊下を行き交う社員には「色」があって、明らかに私のいる会社のそれと違う。「GUEST」と印字されたプレートを返却してドアを開ければ、私を染める「色」も外の世界でくっきりと映え、彼らの目に異質なものとして映るのだろうか、と。正面玄関のドアが私の後ろで閉じた。
同行した専務と駅前でお茶を飲む。
「りんさん、雑誌社に行くと心がざわめくんでしょう?」といきなり突っ込まれ、アイスコーヒーを噴き出しそうになる。「専務もそうですか?」と問うと、「まさか。私はもともと○○屋ですからね、○○メーカーに行くとざわめきますが。」との答え。そうですかとつぶやきながらストローで氷をつつく。
「宿命」という言葉が好き。「こんなこといいな、できたらいいな」と無邪気に歌いながら夢見たことの多くは、私にピッタリだと思ってた。私にピッタリだと思ったことに節目節目で拒否されて、高校の普通科に進み、浪人し、出版社じゃない会社に入社した。拒否された瞬間はいつも顔にタテ線が入るけど、24年間を振り返るに、なぜかいつの間にかたどり着く。あまりにも意外な方法で願いが叶う。ストレートではなくフォークボールのように。
就職活動を終えて一年半、なぜ出版社に入れなかったかがわかる。メーカーの人間(今の私)、代理店、雑誌社の広告担当+編集者。三者で何かを始めるとするなら、私は同じ「雑誌」を軸にするにしても、今のポジション以外に立てないだろう。というのも、"プロの編集"の定義が仮にあるなら、それは「自分を殺すこと」かもしれないと思うから。華やかで夢あふれる「場」を提供する編集者は、読んで字のごとく人のものを集めて編むのだろう。代理店の立場にはもっとなれない。頻繁にメールをやり取りしながらも、私は彼らの仕事内容が未だに把握できていない。
専務とともにガタガタと電車で帰社。私の所属する「メーカー」へ。
とはいえりんはメーカーにいつまでもいないでしょう。…と言ったのは私ではなく、専務。と社長。「あなたはなぜここにいるんですか」と専務は言う。「あなたがいつまでもここにいるわきゃないことくらい、社長は承知ですよ。それをはじめから承知で雇ってますから」と社長の代わりに専務が言う。「もう販売職でいいもーん」と(今思えば)ヤケっぱちで決意したのに、「宿命」がそれを許さないなら、私はいつか流れ着くであろう場所に心当たりがなくもない。当時は投げられなかったストレートがボールかと思いきや意外なかたちでいつか吸い込まれるだろうその場所に、今はただ強く焦がれる。
コメント
こんばんは。最近はいかがお過ごしかしら、と思っていたところにコメントいただき、嬉しいです。
自分は流されやすい人間ですが、小さい頃からどれだけ流されて適応しつつも流された後にたどり着く岸辺はわかっている気が、なんとなく、します。
ただ、そういうタイプはふと足をすくわれて岸辺の存在が危うくなると一気に混乱する(by専務)と。
ゆらゆらと流れながらやわらかな視線で物事を眺めてらっしゃるレッドアイさんの姿勢、私は好きですよ。