24歳の母
2006年10月12日24歳になった。
朝食を食べ終えてさて出かけるかという刹那、「あたしが結婚したのは24だったわねえ」と母が言う。母と私は同じ土地で生まれ、同じ小学校を卒業し、同じ中学を卒業し、同じ駅で降りる高校に通い、同じ大学を受験した。
就業後、8歳年上のJねーさんとゴハン@日比谷。
鹿児島直送の黒豚しゃぶしゃぶを関西風薄口のそばつゆ&柚子胡椒でいただくスタイル。ねーさんお気に入りのこの店に前から行ってみたかった。七時半に日比谷シャンテ前で待ち合わせ。白スカートにショートブーツのねーさんはすっかり秋スタイルで、出会ってから一年経ったなあ、と思う。
「誕生日プレゼントということで」といただいたのは、二冊の本。
勤め始めて半年。はじめてねーさんと会ったとき、私はまだ学生で「ある専門分野の接客員になるんです」と(たしか)目を輝かせていたと思う。いざ入社して配属されたのは「営業」だった。夏に異動して「秘書」になり、来月以降また異動して今度は「マーケティング」を学ぶ。ねーさんの専門は当時も今も「マーケティング」である。
「若い頃は恋愛しか興味がなかったのよー」と昔を語るねーさん。首もとのチョーカーが光を受けて艶っぽく光る。『こころときめくマーケティング』(村田昭治著・国元書房)という一冊の本は、ねーさんが24の頃に読んだという。8年前のねーさんがリスペクトしていた年上の女性に薦めてもらった本だという。24だったねーさんはその頃マーケを専門としておらず、8年経ち、ねーさんと同じように自分がマーケを学ぶとはまるで思っていなかった私(24歳)に、「この本をあげよう」と思ったという。
帰りの電車でパラパラとページを捲る(酔った頭で)。
何かが好きでしかたなくてたくさんの人に伝えたい、その"熱い"想いが序盤から充ち満ちているこの本が、マーケを専門としながら自らをバイブレートするものを"熱く"広めたいという想いでいっぱいのねーさんを形作ったのだろうか、と。ねーさんにこの本を薦めた女性を、若き日のねーさんはどんな目で見ていたのだろうか、と。マイ・ラヴァーがねーさんを「素敵だ」と褒めるたびに、私は雲の上のお方のような気がしてる。
帰宅後、既に寝付いたらしい母と別の部屋で横になりながら、24歳で結婚した彼女を思う。同じ学校名が刻まれた卒業アルバムが二冊ずつ棚にある。ねーさんからもらった本がここにある。母もJねーさんも24歳だったんだなあ、と。開墾された道を耕すがごとく踏み直して歩みつつ、それでも新たなフロンティアを決めていく力は我にも有り、と思う。
朝食を食べ終えてさて出かけるかという刹那、「あたしが結婚したのは24だったわねえ」と母が言う。母と私は同じ土地で生まれ、同じ小学校を卒業し、同じ中学を卒業し、同じ駅で降りる高校に通い、同じ大学を受験した。
就業後、8歳年上のJねーさんとゴハン@日比谷。
鹿児島直送の黒豚しゃぶしゃぶを関西風薄口のそばつゆ&柚子胡椒でいただくスタイル。ねーさんお気に入りのこの店に前から行ってみたかった。七時半に日比谷シャンテ前で待ち合わせ。白スカートにショートブーツのねーさんはすっかり秋スタイルで、出会ってから一年経ったなあ、と思う。
「誕生日プレゼントということで」といただいたのは、二冊の本。
勤め始めて半年。はじめてねーさんと会ったとき、私はまだ学生で「ある専門分野の接客員になるんです」と(たしか)目を輝かせていたと思う。いざ入社して配属されたのは「営業」だった。夏に異動して「秘書」になり、来月以降また異動して今度は「マーケティング」を学ぶ。ねーさんの専門は当時も今も「マーケティング」である。
「若い頃は恋愛しか興味がなかったのよー」と昔を語るねーさん。首もとのチョーカーが光を受けて艶っぽく光る。『こころときめくマーケティング』(村田昭治著・国元書房)という一冊の本は、ねーさんが24の頃に読んだという。8年前のねーさんがリスペクトしていた年上の女性に薦めてもらった本だという。24だったねーさんはその頃マーケを専門としておらず、8年経ち、ねーさんと同じように自分がマーケを学ぶとはまるで思っていなかった私(24歳)に、「この本をあげよう」と思ったという。
帰りの電車でパラパラとページを捲る(酔った頭で)。
何かが好きでしかたなくてたくさんの人に伝えたい、その"熱い"想いが序盤から充ち満ちているこの本が、マーケを専門としながら自らをバイブレートするものを"熱く"広めたいという想いでいっぱいのねーさんを形作ったのだろうか、と。ねーさんにこの本を薦めた女性を、若き日のねーさんはどんな目で見ていたのだろうか、と。マイ・ラヴァーがねーさんを「素敵だ」と褒めるたびに、私は雲の上のお方のような気がしてる。
帰宅後、既に寝付いたらしい母と別の部屋で横になりながら、24歳で結婚した彼女を思う。同じ学校名が刻まれた卒業アルバムが二冊ずつ棚にある。ねーさんからもらった本がここにある。母もJねーさんも24歳だったんだなあ、と。開墾された道を耕すがごとく踏み直して歩みつつ、それでも新たなフロンティアを決めていく力は我にも有り、と思う。
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